著者
高橋 友継 榎本 百利子 遠藤 麻衣子 小野山 一郎 冨松 理 池田 正則 李 俊佑 田野井 慶太朗 中西 友子 眞鍋 昇
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.551-554, 2012 (Released:2012-11-29)
参考文献数
2
被引用文献数
1 5

福島第一原子力発電所事故の2か月半後の2011年5月30日から直線距離で約130km南方に位置する東京大学大学院農学生命科学研究科附属牧場で栽培されていた牧草から調製したヘイレージを飼料として同場で飼養中の乳牛に2週間給与した後2週間福島第一原子力発電所事故に起因する放射性核種を含まない輸入飼料を給与し,牛乳中の131I,134Cs及び137Csの放射能濃度の推移を調べた。飼料と牛乳中の131Iは検出下限以下であった。飼料中の放射性核種(134Csと137Cs)は牛乳中に移行したが,ヘイレージ給与を停止すると1週間は3.61Bq/kg/day,1から2週間は0.69Bq/kg/day,平均すると2.05Bq/kg/dayの割合で速やかに減少した。なお試験期間中を通じて牛乳中の134Csと137Csの放射能濃度は国の暫定規制値及び新基準値(放射性セシウム:200及び50Bq/kg)以下であった。
著者
池田 正則 岩本 幸也 長嶋 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.190-196, 1999-04-25

NH_4F水溶液でエッチしたSi(100)表面におけるFの結合状態, 及び大気放置による自然酸化膜成長中のFの振舞いについて, X線光電子分光法により調べた. NH_4F水溶液でエッチしたSi(100)表面からのF1sスペクトルは, HF水溶液浸漬表面からのそれと同様に, Si-F及びSi-F_2結合に相当する二つのガウス型波形に分離できた. NH_4F水溶液でエッチした表面におけるFの大部分はSi-F_2結合として存在する. この表面を大気放置した場合, 表面の自然酸化膜成長とともに, F1sピーク強度は増大して極大に達した後, 減少した. また, 二つのF1s分離成分の結合エネルギーは高エネルギー側にシフトした. このことから, FはSi表面のみではなく, 深さ方向の分布をもって存在していると考えられる. また, 大気放置による自然酸化膜の成長によって, Fの位置は酸化膜表面へ変化するものと考えられる.