著者
山本 和英 池田 諭史 大橋 一輝
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.85-111, 2005-11-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

新幹線要約, すなわち新幹線車内や街頭での電光掲示板で流れるニュースは簡潔に表現されており, このために独特の表現をしている.本論文ではこの特徴的な表現のうち体言止めや助詞止めといった文末表現に着目し, 一般的な新聞記事の表現をこのような高密度表現に加工する手法を提案する.まず, 実際に2万記事に及ぶ新幹線要約の表現の特徴を調査し, 文末におけるサ変名詞での体言止めが一般の新聞記事の8倍, 格助詞での助詞止めが一般の20倍あることを確認し, 新幹線要約における表現の特異性を確認した.次に, このような文末表現を実現するための提案手法を実装し, 新聞記事を入力として要約した.この結果, 文末表現に限定した要約率は12%であり, 1文当たり平均して2.5文字削除することができた.この結果を人間が行なった文末整形の結果と比較したところ, 要約率はほぼ同様の結果が得られた.さらに, 出力表現の評価を行なった結果, 正解率は95%となった.
著者
竹下 祐輝 池田 諭
出版者
宮崎大学工学部
雑誌
宮崎大學工學部紀要 (ISSN:05404924)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.221-227, 2015-07-31

More than 20 years has passed since J. Feinstein (1993) found that a perfect play on 6×6 board of Othello gives a 16-20 win for the second player. A computer Othello surpasses a much more human now. However, standard 8×8 board remain unsolved. In this paper, we show the p erfect play in miniature Othello (4×4, 4×6, 4×8, 4×10 and 6×6 boards). From these results, we discuss the feature of the Othello larger than or equal to 8×8 board. In addition, in the 6×6 board, we confirm the result of Feinstein.
著者
池田 諭 品野 勇治 中森 眞理雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.19, pp.17-20, 2002-03-04

与えられたグラフG=(V E)が連結か否かを判定することを考える.O(|V|+|E|)のメモリ領域を用いることが出来るならば,O(|V|+|E|)の手間で連結性が判定できることがR.E.Tarjanによって示されている.本論文の目的は,分散システム上で動作する連結性判定分散アルゴリズムを求めることである.本論文では,R.Aleliunas R.M.Karp R.J.Lipton L.Lovaaszおよび C.Rackoff による?RW を用いる手法を取り上げている.そして,簡単な前処理をすることが可能な状況ならば,O(|V|^2 ?log|V|)の手間でほぼ確実に無向グラフの連結性が判定出来ることを示した.また,有向グラフの場合もグラフの直径と次数の上界が分かっているならば同様にして多項式オーダーで判定できることを示した.We consider the reachability problem for directed and undirected graphs. Let G=(V,E) be a directed graph. In [1], R. E. Tarjan has showed the algorithm of O(|V|+|E|) sapce and time complexity. We show a probablistic distributed algorithm for this problem in space O(1) and time O(|V|^2 \log |V|). In this paper,\ we discuss a variant of the algorithm which based on random walk, due to R.Aleliunas, R.M.Karp, R.J.Lipton, L.Lovaasz, and C.Rackoff. We show an improvement of their algorithm from O(|V|^3 log |V|) to O(|V|^2 log |V|) in time helped with a simple preprocessing. In a directed graph,\ we also show their original algorithm run in time O(|V|^2log|V|),\ if the diameter and the degree of the graph is bounded.
著者
池田 諭 森屋 俶昌 プタンナクール パンラウィー ブッチャ チャトリー
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.286, pp.75-81, 1997-09-26
被引用文献数
1

近年, 放送衛星は世界中で広く使用されている. また, 衛星や受信アンテナの技術が改善されたことにより, 小口径アンテナによる受信が可能になった. CN比は衛星放送受信の質を表わす値の1つであり, その値は伝搬状態の様々な影響により変動する. 特に雨による影響は大きいが, 他の現象として, 今回の観測で太陽雑音妨害によるCN比の低下の影響が, 最高で約5[dB]という値が観測された. 太陽雑音妨害は受信アンテナ, 衛星, 太陽が一直線に並んだ時に, 太陽雑音が受信アンテナのメインビームに入ることにより雑音温度が上昇しCN比が低下する現象である. この現象は年2回起こり, 受信状態(特に受信アンテナの口径), 受信地などの条件により異なるが春分の日, 秋分の日の近辺で数日間観測される. 今回の研究では, 正確にCN比の変動時間を測定するために, 時間に対し連続した値で測定できるCN比測定器を用いて観測した.
著者
池田 諭史 大橋 一輝 山本 和英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.93, pp.161-168, 2004-09-17
被引用文献数
1

新幹線の電光掲示板で使用されるニュース記事は冗長度の少ない高密度表現となっている。また、体言や格助詞で終るといった独特の文末表現をしている。そこで本稿ではこのような高密度文の文末に着目し文末が体言や格助詞で終る形に整形することによる要約を試みた。整形はパターンマッチを用いて行ない、結果として文末の要約率は52%であり1 文当たり2.50文字の削除ができた。また、人が判断した正解率は95%であった。The electrical bulletin board news consists of high density expressions. The end of the sentence is unique shape that is nouns or case particles. This paper focuses on expressions of the sentence end, and attempt to summarize them by forming them into nouns or case particles. We summarize the news sentence by pattern matching approach. Our evaluation illustrates that our summarizer reduces 2.50 characters on average; the summarization ratio of sentence ends is 52%. We also show that the correctness of reduction is 95%.
著者
萩原 洋一 池田 諭 中森 眞理雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.33, pp.33-40, 1999-05-10

マージソートは時間計算量がO(n log n)(nはソートされるレコードの個数)であり高速であるが,内部ソートとして実行する場合,作業場所として大きさnの配列を要するのが欠点であるとされている.本論文では,作業場所として数語だけを要するマージソートを提案する.新しいマージソートの時間計算量はO(n log^2 n)であり,従来のアルゴリズムより悪いが,これは作業場所とのトレードオフの結果である.Mergesort is one of the fastest sorting algorithm, since it requires only O (n log n) of computing time. Mergesort, however, requires an array of size n as working area, when executed as an internal sort. In the present paper, we propose an algorithm which is a modified version of mergesort. The space complexity of the proposed algorithm is only O. The time complexity is O (n log^2 n), which is worse than the existing merge sort and is the result of the tradeoffs between time and space complexities.