- 著者
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池田 隆政
伊藤 大雄
吉田 亮
- 出版者
- 一般社団法人 園芸学会
- 雑誌
- 園芸学研究 (ISSN:13472658)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.87-92, 2010 (Released:2010-01-26)
- 参考文献数
- 23
ニホンナシ短果枝葉の飽和光下光合成速度(光合成能力)の季節変化を携帯型光合成測定装置を用いて調査した.予備試験の結果,光合成能力の測定のためのチャンバー内条件として通気速度500 μmol・s−1,光合成有効放射束密度1,500 μmol・m−2・s−1が適当であった.また,光合成速度は午前9時以降減少することから,測定は9時までに終了することとした.ニホンナシ‘幸水’(露地栽培)および‘ゴールド二十世紀’(露地およびハウス栽培)短果枝葉の光合成能力は,満開後30~60日に最高値(15~20 μmol・m−2・s−1)に達し,その後収穫期あるいはその直前までほぼ同じ値が維持された.着果負担のなくなった収穫期後は次第に低くなり,10月以降は急激に低下した.葉肉コンダクタンスの変化は,光合成能力とほぼ同様であり,光合成能力は,主に葉肉活性に影響されていることが示された.以上の結果より,ニホンナシ短果枝葉の光合成能力は着果期間中高いレベルが維持されていることが明らかになった.