著者
沖田 実嘉子 竹末 俊昭
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.175-182, 2012 (Released:2012-03-29)
参考文献数
10

Kimono is a traditional Japanese garment. Several types of dyeing artifices have evolved through the process of printing traditional patterns on cloth in Japan. Paper stencils can be considered merely tools used at an intermediary stage of the dyeing process. And yet another problem is that most stencil cutting craftsmen are getting older, and thus the traditional art of paper stencil cutting may be lost under present circumstances.In this study, we explored the possibility of replacing paper stencils produced by traditional techniques with those produced by a laser cutter. And we compared actually dyed textiles by using existing and new techniques, in an attempt to achieve a quality of paper stencils produced by a different method that is closer to the superb quality of traditional artifices. As a result, we were able to suggest the guidelines on materials and patterns suitable for producing the stencils with a laser cutter.
著者
沖田 実嘉子 竹末 俊昭
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.2_85-2_94, 2013-07-31 (Released:2013-09-30)
参考文献数
34

日本各地に残されている古い染め型紙の多くは染色工所の廃業などにより散逸している現状にあり、型紙の調査、収集、整理、保存が各地で進められている。それらの型紙資料は劣化が進んでおり容易に扱うことができないため、既往の研究では型紙をデジタル化し、機械彫刻を用いて修復保存の検討もなされている。本研究では型紙を物理的に修復する分野に着目し、刃先の向きに関係なく自由に模様を制作できる方法を提案した。本稿ではレーザー加工に適した型地紙素材及びレーザー加工制作方法による模様の再現精度、及び染め上がりの検討を行った。その結果、機械彫刻に比較して、非接触で加工する手法を用いるとともに加工素材の面でも合成型紙を採用することにより、格段に細かい模様の表現が可能であることが明らかになった。
著者
沖田 実嘉子 竹末 俊昭
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.91, 2011 (Released:2011-06-15)

着物の生地に小紋、型友禅、ゆかたなどの柄や模様を染めるために「伊勢型紙」が使われてきた。江戸時代に紀州藩の保護を受けて鈴鹿市の白子と寺家を中心に飛躍的な発展を遂げ全国の生産量の99_%_を占めるに至った。しかし生活様式の洋風化による着物を着る人の減少、型紙が染色における一工程の用具であることで「伊勢型紙」の需要は減少し、型紙職人の高齢化や後継者不足も相俟ってその存続が危惧されるようになってきている。本研究では、型紙制作を別な工法で伝統工芸の良さに近づけるべく、既存のものと新しい技術で制作した型紙を用いて実際に染め上げたものを比較しながら再現の可能性を探る。