著者
近森 淳二 長岡 豊 森 隆 井内 敬二 飯岡 壮吾 南城 悟 沢村 献児 渡辺 幸司 差 健栄 横山 邦彦 瀬良 好澄
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, 1974-12-30

50才男子.石綿の混綿工の職業歴あり.昭和49年4月9日.石綿肺に合併せる左下葉肺癌の診断にて左下葉切除術施行.術後約1ヵ月頃より原因不明の消化管出血を来し,術後75日目に死亡した.剖検により胃体部に2箇,空腸に1箇,後腹膜に小児手拳大の癌腫を認めた.組織学的にはいずれも肺と同様の低分化型腺癌であった.しかし肝転移,胃周囲臓器の所属リンパ節転移および癌性腹膜炎を認めなかった点から,石綿肺に合併せる多発性癌腫(胃,空腸,肺および後腹膜)と考えられる.
著者
服部 正次 池上 晴通 建石 竜平 早田 義博 船津 秀夫 大田 満夫 米山 武志 下里 幸雄 橋本 邦久 西村 穣 伊藤 元彦 村上 国男 早乙女 一男 佐藤 正弘 沢村 献児
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.361-370, 1979-12-25

最近5年間に手術をうけた肺腺淋393例の予後を検討し,また,術後Adjuvant chemorapyの効果をも比較検討した.組織亜型の如何を問わず,高分化,型腺癌および,臨床病期I期例;腋瘍径3cm未満,治癒切除をうけたものの予後が優れていた.乳頭型腺癌と腺管型腺癌では,分化度別にみても,5年生存率,50%生存率ともに有意差なく,今後他の観点からの詳細な亜型分類の必要がある.また,術後化学療法は,EX+MMC+5・FU治療群が良好な生存曲線を示した.