著者
河野 友宏
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.83-86, 2005 (Released:2005-06-04)
参考文献数
6

哺乳動物では,雌あるいは雄ゲノムのみから構成される単為発生胚は妊娠の初期に致死となる.これは,生殖系列において性特異的に行われるDNAメチル化修飾により,父母アレル特異的に発現するインプリント遺伝子が生じ,その結果,雌雄ゲノム間で発生を支配する機能上の決定的な差異が生まれることに起因している.ゲノムインプリンティングが,単為発生を完全に阻止していることを検証するための最も直接的な方法は,インプリント遺伝子の発現を改変し雌性ゲノムのみから個体を発生させることである.
著者
河野 友宏 塚平 俊貴 川原 学
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第102回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.136, 2009 (Released:2009-09-08)

[目的] 寿命に性差が認められることは良く知られており、ヒトでは女性が男性に比べ長命である。しかしながら、長命性において性差が生じる理由は良く理解されていない。哺乳類では、雌ゲノムのみを持つ単為発生胚は致死であることから、その寿命を正常個体と比較することは出来ない。しかし、我々が作出した二母性マウスは父性ゲノムを持たないことから、寿命と父母ゲノムの関係を探る上で良いモデルとなり得る。そこで、雌ゲノムのみから誕生した二母性マウスの寿命を調べた。[方法] 2005年10月から2006年3月の間に生まれた二母性マウス13個体を使用し、寿命を調べた。なお、二母性マウスは既報(Nature protocols, 2008)に従い作出した。対照区には同時期に誕生した受精卵由来の雌マウス13匹を用いた。実験に用いたマウスの系統は共にB6D2F1xC57BL/6である。すべての被検マウスは、単飼ケージで飲水および餌とも自由摂取としSPF環境で飼育した。 [結果] 二母性マウスの平均寿命は841.5日で、対照群の655.5日と比べ185.9日間も長く、Kaplan-Meier analysisにより(p<0.01)有意差を認めた。すべてのマウスは同一の飼養管理条件下で飼育されたにも係わらず、二母性マウスは対照より約30%長く生きたことになる。二母性マウスは父方発現インプリント遺伝子Rasgrf1の発現を欠くことから小型で、出生後20ヵ月における二母性マウス体重をコントロールと比較すると有意に軽かった(29.4g vs 44.9g)。また、血液の生化学的検査から、好酸球が有意に増加していた。これらの結果から、母性ゲノムが長命性に何らかの役割を果たす可能性が示唆される。
著者
桑山 岳人 小川 博 宗近 功 河野 友宏 一戸 健司
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.89-95, 1996
被引用文献数
3

赤色野鶏,緑襟野鶏,セイロン野鶏,日本鶏16品種,および白色レグホーンの鳴声を録音し,声の高さ,長さ,音節数についてサウンドスペクトログラフィーを用いて分析した。声の高さは,灰色野鶏とセイロン野鶏が最も高く,赤色野鶏,緑襟野鶏および矮鶏では比較的高く,声良鶏が最も低かった。声の長さは,東天紅鶏が最も長く,唐丸鶏および声良鶏が長かった。音節数は,野鶏では3~5,日本鶏では2~4,白色レグホーンでは4であった。
著者
桑山 岳人 小川 博 宗近 功 河野 友宏 一戸 健司
出版者
日本万国家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.89-95, 1996-03-25
参考文献数
6
被引用文献数
3

赤色野鶏,緑襟野鶏,セイロン野鶏,日本鶏16品種,および白色レグホーンの鳴声を録音し,声の高さ,長さ,音節数についてサウンドスペクトログラフィーを用いて分析した。声の高さは,灰色野鶏とセイロン野鶏が最も高く,赤色野鶏,緑襟野鶏および矮鶏では比較的高く,声良鶏が最も低かった。声の長さは,東天紅鶏が最も長く,唐丸鶏および声良鶏が長かった。音節数は,野鶏では3~5,日本鶏では2~4,白色レグホーンでは4であった。