- 著者
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沼上 幹
- 出版者
- 特定非営利活動法人 組織学会
- 雑誌
- 組織科学 (ISSN:02869713)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.4, pp.32-44, 2000 (Released:2022-07-27)
本稿はまず合理主義と経験主義の対立を明らかにし,本来,その両者が相互に影響を及ぼしあって社会システムに関する認識の地平が拡大していくことを主張する.その上で近年の経営学的研究の見取り図を作成し,〈極端な実証主義〉的バイアスの位置づけを明確にする.さらに,そのバイアスの源泉あるいは促進要因として,①経営学研究に関する存在論・認識論的な見取り図の欠如,②文献研究否定運動,③経済学者の経営学領域への侵入,④大学院大学化が指摘される.