著者
沼上 幹 軽部 大 田中 一弘 島本 実 加藤 俊彦 生稲 史彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.12-26, 2006-06-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
18

本論文は,データ・リッチな実証研究を行なうためのコンソーシアムを形成して行なわれている,組織の 重さ プロジェクトの主要な知見を紹介する.コンソーシアムに参加した企業のBUに関しては,内部調整に約4割の時間が割かれていること,また比較的容易に調整が達成できる組織は有機的組織の特徴と機械的組織の特徴を両方備えていることが明らかにされる.
著者
加藤 俊彦 軽部 大
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.4-15, 2009-03-20 (Released:2022-08-20)
参考文献数
20

本稿では,大手企業を対象とする質問票から得た定量データの分析を中心として,日本企業の事業戦略の現状とその問題点を検討する.データ分析を通じて明らかにされるのは,戦略目標や市場環境などの事業戦略にかかわる項目と経営成果との関係である.その結果の考察を通じて,日本企業の事業組織には,事業戦略の基本的な組み立て方をはじめとする課題が存在している可能性が示唆される.
著者
加藤 俊彦
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3_4, pp.96-106, 2004-08-25 (Released:2017-12-29)
参考文献数
28

The Japanese enterprises provided, chiefly in the 1980s, a viewpoint possibly alternative to the traditionally U. S. -centered theories on corporate behavior. However, the slump of the Japanese economy in the '90s led not only to decline of interest in the Japan model but to changes in the Japanese corporate behavior itself. This paper reviews discussions in the '80s on Japanese enterprises, particularly their product and technology strategies, and compares them with the behavior of Japanese companies and observations on them in the '90s and later, to examine the circumstance they are now facing. The earlier discussions concerned a broad range of dynamic aspects including product and technology strategies as well as the corporate strategy at large, which attracted less attention in the U. S. where the static compatibility was of major concern. However, Japanese enterprises are experiencing poor performance in such dynamic aspects, and some have switched their efforts to pursuit of static compatibility. Some features of the Japanese model were certainly overestimated ; not all of the modes of behavior perceived as "dynamic" actually functioned. Nevertheless, what is rational in a particular point of time does not necessarily remains so in a lapse of time. Strategies based on dynamic elements should still be effective for Japanese enterprises.
著者
加藤 俊彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.69-79, 1999 (Released:2022-07-27)

技術発展の方向性を規定する要因については,長年にわたり議論が展開されてきた.特に最近では,経営学をはじめとする技術研究で支配的な枠組であった「決定論的視座」に対抗する「非決定論的視座」に基づく議論が,この領域で活発に展開されている.そこで本稿では,議論の前提に遡って技術発展の規定要因に関する既存の文献を整理・検討した上で,「技術システムの構造化理論」という概念枠組を提示する.この概念枠組は,二つの視座を発展的に統合するものである.ただし,ここでの焦点は,決定論的視座を擁護するのではなく,むしろその重大な問題点を明らかにすることに,当てられる.
著者
加藤 俊彦
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第83集 新しい資本主義と企業経営 (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.77-85, 2013 (Released:2019-09-26)

平成23年度日本経営学会賞の受賞作である『技術システムの構造と革新─方法論的視座に基づく経営学の探究』について,主たる問題意識と各章での議論を中心として,概要を見ていく。