著者
沼上 幹 軽部 大 田中 一弘 島本 実 加藤 俊彦 生稲 史彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.12-26, 2006-06-20 (Released:2022-08-05)
参考文献数
18

本論文は,データ・リッチな実証研究を行なうためのコンソーシアムを形成して行なわれている,組織の 重さ プロジェクトの主要な知見を紹介する.コンソーシアムに参加した企業のBUに関しては,内部調整に約4割の時間が割かれていること,また比較的容易に調整が達成できる組織は有機的組織の特徴と機械的組織の特徴を両方備えていることが明らかにされる.
著者
島本 実
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.40-52, 2015-12-20 (Released:2016-06-29)
参考文献数
32
被引用文献数
3

本論文の課題は,なぜチャンドラーの学説が20世紀後半に経営史のみならず経営学に大きな影響を与えたかを明らかにすることにある.結論を先取りするなら,チャンドラーの歴史研究は,複数の個別事例の比較を通じて,背後にある一般的構造を発見するものであった.その視点はこれまで大量かつ多様なものの流れを実現する大企業に向けられてきたが,今後はより柔軟に流れを管理する新しい組織形態の研究が重要になるだろう.
著者
島本 実
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.45-51, 2019-06-20 (Released:2019-10-30)
参考文献数
5

本稿は,小樽商科大学での2019年度組織学会年次大会においての報告の内容をできうる限りそのまま伝えるものであり,『組織科学』への投稿予定者に,読者にとって魅力ある論文とは何かについて1つの考え方を伝えることを目的としている.その内容は,以下の命題に集約される.それらは⑴論文作法で素人とばれる,⑵学問は皆で石を積む作業,⑶読み通せれば掲載される,⑷読者の視点で書く,⑸現実とモデルに橋をかける,⑹一般化と反省の弁証法,の6つである.
著者
島本 実
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.53-66, 2001-06-20 (Released:2022-07-30)
参考文献数
21

本論文はファインセラミックス産業を題材に,その発展過程を行為システムの視点から分析するものである.この産業は1981年より技術政策の対象とされ,現在では2兆円産業に迫る成長を遂げた.しかし,その過程を複数主体の行為システムと把握すれば,そこには政策を指標とした複数の企業の資源の集中によって間隙が発生し,その間隙に位置した企業によってこの産業の発展がもたらされたというメカニズムが浮かび上がる.
著者
島本 実
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集 第3回横幹連合コンファレンス
巻号頁・発行日
pp.101, 2009 (Released:2010-04-05)

The purpose of this paper is to explore how Industry-University-Government cooperation worked effectively in the Photovoltaic industry after the 1970s in Japan. The reason why the Photovoltaic industry grew rapidly was the successful coupling of industry, university and government system.
著者
米倉 誠一郎 島本 実 崔 裕眞 宮崎 晋生 平尾 毅 川合 一央 星野 雄介 清水 洋
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究プロジェクトは、日本企業の製品開発における外部の経営資源の活用を考察することを目的としたものであった。特に、近年になり外部の経営資源を活用した価値づくりは、「オープン・イノベーション」として大きな注目をあつめるようになった。本研究プロジェクトではオープン・イノベーションを中心として研究を進め、日本企業の課題を分析してきた。より具体的には異なる企業間のコラボレーションを上手く進めるための組織体制や、外部の経営資源を活用する上での戦略などを議論してきた。それらの一部は『オープン・イノベーションのマネジメント』として2015年に出版された。