著者
沼尾 雅之 清水 周一 木村 雅彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.195-196, 1995-09-20
被引用文献数
1

大福帳システム、データベースからの仮説検証など、データベースを積極的にマーケティング戦略に利用していこうとする動きが、流通業を中心として盛んになっている。その中でも、データマイニングは、データベース中から未知の規則を発見できる、仮説生成型アプリケーションとして注目されている。現在、データマイニングの手法として知られているものを大別すると、以下のようになる。(1)クラス分類型:パターン認識や学習といわれているもので、クラスのわかっているサンプルデータを訓練例として、クラスを分類するための式、ルール、決定木等を生成するものである。ニューラルネットもここに入れられる。応用としては、顧客の信用調査、不正検出、ポートフォリオマネージメント等があげられる。(2)クラスタ分割型:属性間の距離などを規準にして、似かよっている属性を持つデータをグループ化するものであり、統計的クラスタリングや整数プログラミングの手法などが知られている。応用としては、顧客のプロトタイピング、バスケットアナリシス等があげあれる。(3)演繹データベース検索型:データベースから新しいパターンを導出し、これを数えあげることによって、そのパターンの有効性を検証する。応用としては、関連購買分析があげられる。(4)視覚化型:データをわかり易く表示し、対話的にデータの絞り込みなどの操作することによって、データ中の変数間の関係を明確化するものであり、基本的にルールの発見は人に任されている。これらの手法の中でも、演繹データベース検索型は、扱えるデータのサイズ、柔軟なパターン、および、解の完全性などの点で優れており、大規模データベースに対してもスケーラブルなアルゴリズムが開発されている。この手法は、直接的には流通業において、どの商品とどの商品が一緒に買われたかという関連購買分析に有効であることが知られているが、本稿では、これを一般の要因分析に応用することを示す。POSデータ等の大量の購買履歴と、その時間、場所的な背景データを同時に処理することによって、購買の要因のみならず、要因間の因果関係なども抽出することができるようになる。
著者
高橋 麻美 根路銘 崇 沼尾 雅之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.1711-1720, 2012-07-15
被引用文献数
1

節電がますます重要視される中,企業や家庭では,一般的な節電対策として経験的かつ試行錯誤的に節電に対する取り組みが実施されている.一方で,節電効果の向上を目的として,従来のブレーカ単位・月単位での測定に対し,より詳細に把握するために電化製品や部屋単位で測定する技術が登場してきている.我々は,電化製品と利用者の関係を整理するために,サービスインタフェースモデルを用いて,電化製品の特徴に基づく利用状況を分析した.本論文では,電化製品の消費電力量を利用者単位で測定する手法に加えて,節電のための指標となる節電KPIの計算方法について述べる.また,提案する手法に対する実験と評価について述べ,有効性を検証する.Electric power saving efforts is getting more important not only from the regional view point but also from the earth level view point. In order to improve the power saving, enterprises and homes are trying to reduce power consumption by ad-hoc try-and-error approach and based on empirical information. Thus, it is highly expected to establish the technologies and infrastructure for monitoring the power consumption by appliance level or finer location level. We proposed an approach to evaluate the user-level power consumption by converting from the appliance-level power consumption. In order to do that, we analyzed the relationship between appliances and users by using service interface model. In this paper, we described a method for allocating power consumption which measured by appliance level to user. In addition, we defined KPI (Key Performance Indicator) for saving power consumption and evaluate our approach.
著者
大野将樹 岡村亮一 獅々堀正幹 沼尾雅之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.35, pp.1-6, 2013-08-24

本稿では,音楽的・音響的に違和感の少ないメドレー曲を自動的に生成する手法を提案する.メドレー曲を構成する楽曲断片間の連結の妥当性に関する指標として,局所的接続と大局的接続がある.本研究では,局所的接続と大局的接続に対する個人の嗜好をシステムに反映することによって,違和感のないメドレーを生成する.7 段階評価による被験者実験により,パーソナライズを実施しなかった場合のメドレー曲は 3.74,提案手法は 5.02 のスコアが得られ,個人の嗜好を反映した提案手法の有効性が示された.