著者
跡部 裕貴 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.606, pp.25-30, 2007-03-09

本稿では,映像整理や視聴に要する労力軽減のために,サッカーの試合における試合中断区間に注目したイベント推定の手法を提案する.サッカーの試合ではイベントが発生すると一旦試合が中断される場合が多く,その中断区間からは原因となったイベントを推定するために有効と考えられる特徴量が得られる.提案手法ではまず,ショットの分割・分類,プレイ・ブレイクの分類などの映像の整理を行う.その後,ブレイク区間からブレイク時間,スローモーション映像の回数などの特徴量を抽出する.そして,学習データから得られたパラメータに基づきイベント推定を行う.実際の試合映像に対し実験を行い,提案手法の有効性と今後の課題についての検討を行った.
著者
片岡 祥啓 宮本 貴朗 青木 茂樹 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.139, pp.23-30, 2007-07-12

これまでに提案されているキーストロークを利用した個人認証の研究では,キーが押されていた時間を比較したり,パスワードを打つリズムを意図的に作り出すことによってユーザ認証を行っていた.しかし,これらの手法はパスワードなどの定型文には有効であるが,自由な文章(非定型文)を用いた場合は,定型文に比べ大幅に減少するため識別率が大きく低下するという問題があった.本稿では,非定型文を用いた場合にもユーザの特徴を的確に捉え,個人認証を行うことができる手法を提案する.まず,キーストロークの特徴として,連続する二文字(二連字)を押した時の時刻と離した時の時刻から計算できる各種の時間を特徴として抽出する.次に,二連字の種類ごとにその特徴の平均値で昇順に並べる.そして,その並び方と予め作成しておいたプロファイルの並び方をKendallの順位相関係数で比較する.さらに,二連字が押されていた時間をプロファイルデータに登録されている時間と比較することにより個人を識別する.
著者
大西 正輝 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1590-1597, 1999-10-25
被引用文献数
24

近年,ネットワーク技術の発展に伴い,映像情報などの大容量データ転送が可能となり,大学や各種の学校ではサテライトシステムなどを用いた遠隔講義が行われている.講義風景を撮影する方法として,1台の固定したカメラを用いる方法や,複数台のカメラをディレクタなどが各時点でスイッチングする方法が考えられる.しかし,前者では講義の臨場感が伝わらず,また板書が見にくいといった問題点があり,後者ではカメラを制御する人手が必要となる.本論文では,動画像処理により講義映像の撮影・編集を自動化する手法を提案する.まず,映像中に発生した画素ごとの情報量を定義する.次に,その情報の分布に基づいて複数台のカメラを制御し,あらかじめ生成したスイッチング規則に従い映像の選択を行うことで,受講者に必要な情報を多く含む臨場感のある講義映像をリアルタイムで生成する.また,受講者の視認テストにより本手法の有効性を確認した.
著者
大西 正輝 泉 正夫 福永 邦雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.1187-1195, 2000-11-25
被引用文献数
27

ネットワーク技術の発展は, 従来の講義形態からネットワークを介して距離的に離れた複数の講義室で同時に講義を行う遠隔講義形態へ移行する可能性を示唆している.遠隔講義では, 講義に使用する資料等はネットワークを介して配布する形になる.しかし, あらかじめ電子教材を作成するのは手間がかかることなどから, すぐに普及する傾向にはない.一方, 黒板を用いる講義はOHPやビデオが普及した現在でも講義内容を強く印象づけたり, 受講者が順次理解していく過程にマッチしている手法として根強い支持を得ており, 大学・予備校などでも広く行われている.本論文では板書主体の講義を撮影するときや, ネットワークで利用するための電子教材を作成するときに必要となる板書をブロック分割する手法を提案する.板書のブロックは小さな矩形の集合であると考え, 一定時間書き込みのない場合に板書文字領域を囲う小さな矩形を生成する.次に講義のレイアウトから生成したファジールールに従い, これらの矩形を統合・分割することでブロック分割を行う.また, 本手法の応用例として, 抽出したブロックを順につなぎ合わせてHTML形式のファイルを作成し, WWW配信するシステムを構築した.
著者
吉田 聡 泉 正夫 辻 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.123-126, 2012-02-11

安価なデバイスであるKinectがどの程度の能力があるのか調査するため,歩行動作をしている人に対する人物判定を試みる.歩行動作を定義し,Kinectから得られる5人の情報を用いて歩行動作を表す特徴ベクトルを作成した.そして主成分分析を用いて特徴空間を構築した後,特徴空間での各クラスの重心からの距離と分散を用いてテストパターンの判定を行った.結果としてKinectは歩行動作をしている人物5人に対して判定した場合の適合率は約80%であることを示し,その結果と手法について考察した.