著者
岩下 友也 吉田 等 津國 正一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集 (ISSN:18848435)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.533-536, 1997

非線形有効応力解析を行い, 大地震時のロックフィルダムの残留変位を推定した. 飽和部のロック材料の構成式として, 累積損傷度から計算した塑性歪みを考慮できるDensificationモデルを用いた. 構成式のパラメータは, 密に締め固めたロック材料の繰返し中空ねじり試験結果のシミュレーションから求めた. 入力地震動としてはマグニチュード8.0相当の模擬地震動と, 兵庫県南部地震の際, ダムで観測された2種類の波形を用いた. 解析結果から上流側では地震中に発生する過剰間隙水圧の影響で, 下流側よりも比較的深い範囲で変形が生じた. 入力地震動の主要動の継続時間が, 最終的な残留変位量に大きな影響を及ぼす.
著者
津國 正一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.313-327, 2014 (Released:2014-09-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1

壁状改良と杭状改良を併用する新しい3次元的な改良形状を有する杭状・壁状配置併用型改良工法は,軟弱粘性土地盤上の高盛土の基礎への適用を想定して開発された工法で,既存工法に比べて盛土周辺地盤の変状抑止効果が高いという特長がある.3次元的な改良形状の効果を設計で反映させるために,地盤改良の設計では一般的でない3次元FEM解析を用いた詳細検討を,設計法の検討の一環として実施した. 解析コードMuDIAN1)を用いた3次元FEM解析により,壁状改良部である側部壁を盛土法肩部に配置すると最も変状抑止効果が高くなることを明らかにした.また,3次元FEM解析を用いた熊本宇土道路での試験施工のシミュレーションを通じて,3次元FEM解析で行う詳細設計法を検証した.