著者
津川 裕司 松沢 佑紀
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.297-306, 2022 (Released:2022-06-07)
参考文献数
12

昨今,質量分析を用いたノンターゲットリピドミクスの技術革新により,1検体あたり1000を超える脂質分子を一度に捉えることが可能な時代となった。これは,分析化学の発展だけでなく,情報科学(質量分析インフォマティクス)研究の発展によるところが大きいと考えられる。このような脂質解析は基礎研究だけでなく,臨床検体の解析によるバイオマーカー探索や食品科学における機能性解析といった幅広い分野において適用可能な技術である。そこで本項では,ノンターゲットリピドミクスワークフローのうち,特にデータ解析に焦点を当て,これから脂質メタボローム解析を始めようとする読者への手助けとなるような情報を掲載する。具体的には,(1)質量分析より得られた計測データから脂質プロファイル情報を得るためのデータ処理,(2)ノンターゲット解析結果の標準化および定量値の解釈について,そして(3)得られた脂質情報から生物学的解釈を行うためのオントロジー解析やパスウェイ解析について記載する。
著者
山本 博之 津川 裕司
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第40回ケモインフォマティクス討論会 山口
巻号頁・発行日
pp.P3, 2017 (Released:2017-10-19)
参考文献数
4

メタボロミクスでは、化学構造が不明な未知ピークが疾患バイオマーカー候補となることがあり、未知ピークの構造推定を行うためのケモインフォマティクス手法が様々提案されている。本研究では、結合が切断するか否かを目的変数、インシリコフラグメンテーションによって得られた構造ペアのフィンガープリントから計算した特徴ベクトルを説明変数とし、正則化ロジスティック回帰を用いてフラグメンテーション予測を行った。