著者
中島 直也 福田 友紀子 梁 広石 饗庭 三代治 津田 裕士
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.302-305, 2007-06-30 (Released:2014-11-12)
参考文献数
6

リウマチ因子陰性の多発関節痛を訴える高齢者を診療する際に, RS3PE症候群Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema Syndromeは鑑別すべき疾患の1つである. 当該症候群と診断した4例について, 診断・治療における留意点を指摘した. 何れの症例も高齢者 (76-85歳) であり, 突然の発症, 対称性多発関節炎, 両側手背足背のpitting edema, およびリウマチ因子陰性が共通した所見であった. プレドニゾロンの投与が著効を示したが, その減量は注意深く行う必要性があると判断された.
著者
中島 直也 福田 友紀子 梁 広石 饗庭 三代治 津田 裕士
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.302-305, 2007-06

リウマチ因子陰性の多発関節痛を訴える高齢者を診療する際に, RS3PE症候群Remitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edema Syndromeは鑑別すべき疾患の1つである.当該症候群と診断した4例について,診断・治療における留意点を指摘した.何れの症例も高齢者(76〜85歳)であり,突然の発症,対称性多発関節炎,両側手背足背のpitting edema,およびリウマチ因子陰性が共通した所見であった.プレドニゾロンの投与が著効を示したが,その減量は注意深く行う必要性があると判断された.
著者
塩路 直子 饗庭 三代治 津田 裕士 礒沼 弘
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.250-256, 2010 (Released:2010-07-05)
参考文献数
14

目的:認知症病棟への専従配置が義務づけられている精神保健福祉士(PSW)の退院援助が,認知症症例の退院の状況とどのように関係しているかを明らかにするために検討を行った.方法:認知症病棟から退院した症例について,PSWの退院援助と入院期間,退院先機関,栄養摂取方法,服用薬剤などとの関係を検討した.結果:検討対象の要件を満たした症例は192例であり,アルツハイマー型認知症が94例(49.0%)と約半数を占めていた.在宅療養への移行例では,当院外来への通院例が45例,他院への通院例が17例の計52例(32.3%)であった.他院への転入院例は34例(17.7%)であった.その他の96例(50.0%)は,約半数が介護老人保健施設(老健)に入所し,介護老人福祉施設(特養),有料老人ホーム(有老),グループホーム(GH)の順に減少した.1症例当たりの平均援助回数および時間(平均援助頻度)は,施設では有老が最も多く,回数で50回,時間で800分を超え,特養,老健,GHの順に減少した.他院への通院例は,入院期間が最も短いにも係わらず,当院への通院例よりも多くの援助を必要とした.栄養摂取方法と平均援助頻度との関係では,経口摂取で援助頻度が最も少なく,経鼻経管,胃瘻の順に多く,経口摂取と胃瘻との間には有意差(P<0.01)を認めた.服用薬剤と平均援助頻度との関係では,老健の場合においてのみ,塩酸ドネペジル服用例でその他の薬剤服用例よりも有意(P<0.003)に多くの援助を必要とした.結論:認知症病棟からの退院においては,PSWの退院援助が不可欠であり,かつ多くの時間を必要とすることが判明した.また,在宅療養の場合よりも,医療機関への入院または施設への入所において,退院援助の必要度が高いことも示された.さらに,療養型医療機関への入院および老健への入所では,服用薬剤によりその調整に頻回の援助を必要としていた.