- 著者
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清水 惠子
浅利 優
奥田 勝博
田中 宏樹
塩野 寛
松原 和夫
- 雑誌
- 法医病理 (ISSN:13415395)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.1, pp.11-19, 2017-07
ここに掲載した著作物の利用に関する注意 本著作物の著作権は法医病理研究会に帰属します。本著作物は著作権者である法医病理研究会の許可のもとに掲載するものです。ご利用に当たっては「著作権法」ならびに「日本法医病理学会倫理綱領」に従うことをお願いいたします。 Notice for the use of this material: The copyright of this material is retained by the Japanese Society for Forensic Pathology (JSFP). This material is published on this web site with the agreement of the author(s) and the JSFP. Please be complied with Copyright Law of Japan and the Code of Ethics of the JSFP if any users wish to reproduce, make derivative work, distribute or make available to the public any part or whole thereof. All Rights Reserved, Copyright the Japanese Society for Forensic Pathology「酔っぱらって記憶が無い」という現象は、アルコール飲料による一過性前向健忘であり、誰もが知るところである。犯罪者達は、少量の睡眠薬単独で、又は少量のアルコールとの併用で、被害者に一過性前向健忘が生じることを知っている。この知識は、医療関係者にはよく知られているが、捜査関係者を含む日本の一般社会には普及していない。被害者は女性とは限らない。捜査機関は、「渡された飲料を飲んだ後の記憶がない。その間に被害(準強姦や準強制わいせつ、昏睡強盗)に遭ったようだ」という事件の相談に困惑する必要はない。"睡眠薬による一過性前向健忘により、事件当時の記憶が欠落する"という知識が、捜査機関及び法医学者に普及し、被害者の人権が適切に守られることを希求している。