- 著者
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清水 惠子
塩野 寛
上園 崇
- 雑誌
- 大和証券ヘルス財団研究業績集
- 巻号頁・発行日
- no.25, pp.16-22, 2002-02
- 被引用文献数
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出版社版平成8年度から5年間の北海道内における異状死体を対象に,社会医学的分析を行い,特に65歳以上の孤独死に関して,その実態と予防対策ついて考察した.北海道では年間の4000体以上の異状死体が発見されており,年々増加傾向にある.死因は,病死が全体の50%以上を超え,自殺がこれに続いた.病死では,心臓疾患が最も多く,次の脳・血管疾患と合わせて90%以上を占めていた.自殺は縊死が圧倒的に多く,投身がこれに続いた.独居高齢者の孤独死は,平成12年度,65歳以上の高齢者の異状死体の24.1%を占め,年々増加傾向にあった.孤独死した528名の生活状況は,年金生活者,生活保護受給者であり,生活苦が多かった.独居高齢者65歳以上の自殺は10.2%で,独居でない同年齢者よりも,むしろ低い傾向にあった