著者
岡 朋治 竹川 俊也 西山 正吾 野村 真理子 浅山 信一郎 松本 浩典
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究課題は、銀河系(天の川銀河)中に1億個以上浮遊すると考えられる「見えない」ブラックホール、および銀河中心に遍く存在すると考えられる「超巨大ブラックホール」の種となる「中質量ブラックホール」を、星間空間に広がる分子ガスの分布・運動の情報を使用する全く新しい手法によってくまなく検出しようとするものです。この研究によって、銀河系内のブラックホールの空間・質量分布が明らかにされます。これからブラックホールの合体・成長の様子を把握することができ、これを礎にして「ブラックホール天文学」が創始されることが期待されます。
著者
井口 聖 奥田 武志 杉本 正宏 浅山 信一郎
出版者
国立天文台
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ミリ波帯での高精度モニター観測によって、巨大銀河の中心から周期的に時間変化する強度変動を発見することに成功した。この結果とこれまでの観測結果から、巨大銀河の中心にはバイナリーブラックホールが存在する可能性を示唆できた。ブラックホール同士の合体は宇宙空間において最も壮大な自然現象の内の1つである。さらに、本結果は超巨大ブラックホールへの成長過程の中でブラックホール衝突が深く関わっている可能性を示したと考える。
著者
浅山 信一郎
出版者
国立天文台
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、マイクロマシニング導波管を用いたTHz帯超電導サイドバンド分離ミクサの開発を行なっている。サイドバンド分離ミクサに必要不可欠な導波管型90度ハイブリッドカプラーは櫛歯状の構造を持ち高いアスペクト比を持つ。これまでの調査で、導波管壁の垂直度を保ちつつD-RIE(Deep Reactive Ion Etching)を用いたシリコン基板のマイクロマシニングで実現することは難しいことが分かった。また別の問題点として、シリコンの微細構造上に均質な金メッキを施すことも難しいことが分かった。そこで、フォトレジストで作成した構造体に金蒸着等を用いてTHz帯導波管回路を作成した実績を持つチャールマス工科大学(スェーデン)との共同研究を開始した。具体的には研究代表者が800GHz帯において設計を行った導波管型90度ハイブリッドカプラーを、チャールマス工科大学において試作を行った。試作の結果、800GHz帯において導波管型90度ハイブリッドカプラー十分な精度で制作することが可能であることを確認した。この成果を平成20年3月に開かれた応用物理学会で口頭発表を行った。今後は研究代表者が本研究の初年度に2mm帯で既に実証したサイドバンド分離導波管回路をTHz帯でマイクロマシニングにより作成を行う。そして国立天文台で開発しているAIN接合を用いたTHz帯において広帯域特性が期待できるSIS素子と組み合わせ、高感度かつ高帯域なTHz帯超電導サイドバンド分離ミクサの実現を行う。