- 著者
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浅野 新
- 出版者
- 公益社団法人 日本表面科学会
- 雑誌
- 表面科学 (ISSN:03885321)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.7, pp.473-478, 1994
- 被引用文献数
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太陽紫外線の特性,それにより引き起こされるさまざまな皮膚反応,その防御技術と防御効果評価法など,紫外線と皮膚とのかかわりについての簡単な解説を試みた。 地表に到達する紫外線の波長範囲は290~400nmであり,320nmを境に短波長側をUV-B,長波長側をUV-Aとに分類されている。290nm以下の紫外線はオゾン層に吸収され,地表には到達していない。皮膚には,ケラチン蛋白とメラニン色素が存在し,紫外線を物理的,化学的に遮断している。しかし,多量の紫外線を浴びた場合には急性皮膚反応,また長期間にわたり浴びた場合には慢性皮膚反応が起こる。急性反応としては,一般的に日焼け反応として知られている,紅斑,表皮肥厚,落屑反応がある。慢性反応としては,しわ,たるみに代表される光加齢反応がある。このような紫外線による皮膚障害を防御するために,さまざまな紫外線吸収剤,散乱剤を配合した,サンスクリーン製品が開発されている。サンスクリーン製品の紫外線防御効果を評価するために,SPF(San Protecting Factor)測定法基準が設定されている。