著者
浜田 穂積
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.149-156, 1983-03-15

実数値の2進表現として 先に次の特徴を有する表現法を提案した.(i)形式はデータの長さに依存せず精度変換操作が単純 (ii)オーバフロー アンダフローが発生せず 十分大きい数も十分小さい数も表現可能 (iii)固定小数点表現と比べて 分解能の点で1ビットの不利にすぎない.しかしながら 2進数としての指数の値の2進表現と本表現の指数部とが完全には対応せず1だけずれていて論理を少し複雑にしていたのを修正した.これによっても 上記の特徴は保たれることがわかった.丸めについてはIEEE標準案での提案のすべてを容易に満たすことができる非数については IEEE標準案と松井・伊理の提案したもののうち 0 +0 -0 ∞ +∞ -∞は2進による表現パタンの極限的なものを 表現しようとする数値との自然な連続として定義することができる.これら非数をも含めた数の四則演算を 対称性をよく保って定義することができる.ただし 松井・伊理の定義した? +? -?については特別な数値ではなく 表現の詳しさに関する情報であって 本表現の意味となじまないため定義しないほうが望ましいと考え 該当の場合は有意性なしの例外処理を期待する.データの特性パラメータが本表現によれば長さだけであるので プログラミング言語での指定も容易となる.この場合の具体的拠案も行った.
著者
浜田 穂積
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.521-526, 1981-11-15

2進法を基礎とする計算機そのほかのデータ処理装置のための実数値表現方式を提案する.形式はデータの長さに依存せず 精度変換操作が単純で オーバフロー アンダフローが発生しない 十分大きい数も小さい数も表現できる方式であるこれらの条件を満たす一般的な表現法と その中で最も単純な規則を持つ形式とを示し 後者を標準案として推奨する.後者によると ±1の近くでの分解能が低下しないように極力努めたので 同じピット数で表現する固定小数点表現と比べ 1ビット分の分解能の悪化に止まり かつ浮動小数点表現の持つ 小さい数も 大きい数も表現できるという長所も併せ持っている.実数値表現法として前記の目的を達するため 内部表現のビット列に次の3つの性質を持たせる.(i)すべてのビット列が実数に対応する.(ii)あるビット列の右に1ビット連結する時 元のビット列に対応する区間が2分され 左の区間はピット0 右の区間はビット1を連結したものに対応する.(iii)正数の場合 1から無限大あるいは0に向かって 区間の両端の値の比が 二重指数的に増加する値となるよう分割されている.これによって実現される表現法を用いると 短いデータでもそれなりにバランスよく実数値を表現できる.また長いデータをう処理系と容易に結合できるため ミニコンピュータ マイクロコンピュータのための実数値表現法としても適している.
著者
浜田 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.521-526, 1981-11-15
被引用文献数
1

2進法を基礎とする計算機そのほかのデータ処理装置のための実数値表現方式を提案する.形式はデータの長さに依存せず 精度変換操作が単純で オーバフロー アンダフローが発生しない 十分大きい数も小さい数も表現できる方式であるこれらの条件を満たす一般的な表現法と その中で最も単純な規則を持つ形式とを示し 後者を標準案として推奨する.後者によると ±1の近くでの分解能が低下しないように極力努めたので 同じピット数で表現する固定小数点表現と比べ 1ビット分の分解能の悪化に止まり かつ浮動小数点表現の持つ 小さい数も 大きい数も表現できるという長所も併せ持っている.実数値表現法として前記の目的を達するため 内部表現のビット列に次の3つの性質を持たせる.(i)すべてのビット列が実数に対応する.(ii)あるビット列の右に1ビット連結する時 元のビット列に対応する区間が2分され 左の区間はピット0 右の区間はビット1を連結したものに対応する.(iii)正数の場合 1から無限大あるいは0に向かって 区間の両端の値の比が 二重指数的に増加する値となるよう分割されている.これによって実現される表現法を用いると 短いデータでもそれなりにバランスよく実数値を表現できる.また長いデータをう処理系と容易に結合できるため ミニコンピュータ マイクロコンピュータのための実数値表現法としても適している.
著者
浜田 穂積
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.149-156, 1983-03-15
被引用文献数
12

実数値の2進表現として 先に次の特徴を有する表現法を提案した.(i)形式はデータの長さに依存せず精度変換操作が単純 (ii)オーバフロー アンダフローが発生せず 十分大きい数も十分小さい数も表現可能 (iii)固定小数点表現と比べて 分解能の点で1ビットの不利にすぎない.しかしながら 2進数としての指数の値の2進表現と本表現の指数部とが完全には対応せず1だけずれていて論理を少し複雑にしていたのを修正した.これによっても 上記の特徴は保たれることがわかった.丸めについてはIEEE標準案での提案のすべてを容易に満たすことができる非数については IEEE標準案と松井・伊理の提案したもののうち 0 +0 -0 ∞ +∞ -∞は2進による表現パタンの極限的なものを 表現しようとする数値との自然な連続として定義することができる.これら非数をも含めた数の四則演算を 対称性をよく保って定義することができる.ただし 松井・伊理の定義した? +? -?については特別な数値ではなく 表現の詳しさに関する情報であって 本表現の意味となじまないため定義しないほうが望ましいと考え 該当の場合は有意性なしの例外処理を期待する.データの特性パラメータが本表現によれば長さだけであるので プログラミング言語での指定も容易となる.この場合の具体的拠案も行った.
著者
葛毅 阿部 公輝 浜田 穂積
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.2(1999-SLDM-094), pp.9-16, 2000-01-12

本論文では,URR(Universal Representation of Real numbers)を用いた32ビット浮動小数点乗算回路のIEEE規格との比較とVLSIへの実装について述べる.URRとは浮動小数点数値表現法の一つである.URRは指数部と仮数部を可変長とすることで,IEEE規格に比べて遥かに大きな値や小さな値を表現することを可能としている.しかし,可変長であることから指数部と仮数部の分離/結合処理を行う回路を必要とする.本論文ではURRを実装する際の回路量を評価している.主に次について述べる.(1)URRを用いた浮動小数点乗算回路の構成と分離/結合を行う回路構成の詳細な検討.(2)各構成要素の最適化.(3)IEEE規格の浮動小数点乗算回路との比較.IEEE規格との比較の結果,遅延時間で1.66倍,面積で2.52倍となった.なお,加算回路では遅延時間で1.68倍,面積で2.44倍となった.また,設計した乗算回路の試作チップを作成した.試作チップの主な製造条件は,CMOS0.6μm,4.5mm角である.設計はVerilog-HDLで行い,論理合成にDesign Compiler (Synopsys社),配置配線にAquariusXO (Avanti社)を使用した.
著者
浜田穂積
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.241-249, 1984
被引用文献数
3

電子計算機の内部で実数値を表現するための新しい表現法URR (Universal Representation of Real numbers)を先に提案した.これは実数値の区間に適用する2分法に共づいており,1から∞に向って,あるいは0に向って分割点が二重指数的に増大あるいは減少するように選ぶものである.ここではそのURRについて更に広い視野からの位置づけをし,かつより詳しく検討した. URRの特徴は次のものである.(i)オーバフロー,アンダフローが事実上起こらない.(ii)データ形式はデータの長さに依存しない.(iii)同じ長さの固定小数点表現と比べて,分解能に関して1ビットの不利に止まる.これらの点から,ディジタル装置に用いる数値表現として最適のものといえよう. 高次代数方程式のGraeffeの解法に適用して妥当な結果を得た.URRの演算論理は特に複雑ではなく,容易に構成可能である.