著者
深谷 隆史
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.787-791, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1

〔目的〕本研究は,ランジ動作においてステップ幅が異なる時の下肢関節への運動力学的負荷を把握することを目的とした。〔対象〕健常成人男性8名を対象とした。〔方法〕ランジ動作は,最大ステップ幅(Long-Step)と最大ステップ幅の半分(Short-Step)の2種類とした。動作解析装置及び床反力計を用いて下肢関節の運動学的及び運動力学的データを収集し,動作時の股関節,膝関節,足関節の関節力と関節トルクを算出した。〔結果〕Long-stepで上方及び後方への床反力が有意に大きかった。股関節力,膝関節力,足関節力は下方への圧縮力と前方への剪断力がLong-stepで有意に大きな値を示した。関節トルクではLong-stepで股関節屈曲及び足関節底屈トルクが大きく,Short-stepでは膝関節伸展トルクが大きくなることを示した。〔結論〕ランジ動作を運動療法として取り入れる際,下肢関節に対して治療目的に応じてステップの幅を選択しながら行うことが重要であることが示唆された。
著者
六崎 裕高 吉川 憲一 佐野 歩 古関 一則 深谷 隆史 山崎 正志
出版者
南江堂
雑誌
別冊整形外科 (ISSN:02871645)
巻号頁・発行日
vol.1, no.75, pp.241-244, 2019-04-25

は じ め に ロボットスーツHybrid Assistive Limb(HAL;Cyberdyne社)は,着用可能なロボットで,装着者の皮膚表面に貼付された電極から生体電位信号を解析し,パワーユニットを制御して,装着者の動作を支援することができる1).これまで,脳卒中,脊髄疾患,小児疾患などで安全性や効果が報告されてきた2~4).人工膝関節全置換術(TKA)後においても,関節可動域(ROM)の改善のために単関節型HALが用いられ,また,歩行能力の改善のために両脚型HALが用いられ,安全性や効果が報告されてきた5,6).われわれは,歩行能力,ROM,筋力の改善を念頭におき,両脚型HALより軽量で,単関節型HAL同様にROM訓練可能な単脚型HALを用いてTKA後にトレーニングを行い,リハビリテーションとしての可能性を考察した7).これをもとにTKA術後急性期における単脚型HALを用いた臨床研究について報告する.