著者
清水哲郎 [ほか] 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1991
著者
野家 啓一 川本 隆史 篠 憲二 清水 哲郎 鈴木 淳子 座小田 豊
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

ヘラクレイトスの「万物は流動する」(panta rhei)やゼノンのパラドックスを引くまでもなく、哲学の源流をなす思想家たちにとって《動き》は重要なテーマであった。モノの動きとヒトの動きにはどれほどの共通性があり、どこが違うのか。あるいは同じ動物の動きの中で、人間の動きにはどんな特徴があるのか。「人の移動の哲学」は、そうした哲学の根本問題に立ち返りながら知の組み替えを図り、同時に現代の社会と文化の変動が突きつけてくる実践的な難問に応答することを試みるものである。1年目は、「人の移動」を《哲学する》方法論の探究に主力を費やし、研究代表者の野家啓一は、「人の移動」がもたらす境界領域としての「異界」に注目する作業を始めた。2年目は、「人の移動」を可能にする空間のあり方を主たる検討課題とした。次いで、「人の移動」に関連する文化現象の一例として、「メタファー」を取り上げ、東北哲学会との合同シンポジウムを開催した。3年目は「人の移動」を可能にする時間のあり方の吟味から共同研究をスタートさせた。次いで、「人の移動」の哲学の基礎理論を固めるべく、世界的に再評価の動きが見られる哲学者ディルタイを取り上げ、東北哲学会との合同シンポジウムを開催した。哲学・倫理学の研究者を核として、社会心理学、比較文化論・農業経済学という関連領域の第一線のメンバーを分担者に加えた本研究の成果は、すでに各種のシンポジウムで公開したほか、東北大学倫理学研究会の協力のもと三冊におよぶ資料集を発行し、関係諸機関に送付してある。さらに研究代表者・協力者の個別の論文・報告にも共同研究の成果は折り込み済みである。
著者
清水 哲郎
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-48, 2015-04-30 (Released:2015-05-12)
参考文献数
4
被引用文献数
2

本人・家族の意思決定支援について,公表されている二つの意思決定プロセス・ガイドラインが示すところを踏まえた上で検討する。まず,厚生労働省ガイドライン(2007年)を整合的な文書として読解すると,話し合いを通して関係者が合意形成することが本人の自己決定を尊重することに先立っており,合意が成った場合に本人の意思決定を基本とする」としていることが分かる。また,日本老年医学会のガイドライン(2012年)は,厚労省ガイドラインの考え方を受け継ぎ,かつその内容を臨床的により具体的に,必要条件のみならず十分条件まで示すものである。次に,通常の治療方針に関する意思決定プロセスにおける本人ないし家族の支援について,情報共有-合意モデルが示す関係者の共同決定というあり方を提示し,それは本人(家族)が状況を分った上での意向を形成するよう支援するプロセスでもあることを提示し,支援のあり方を検討する。最後に,将来のケア・治療について予め考える場面について,事前指示とACP(ケア計画事前作成プロセス)を取り上げて,意思決定支援を中心に考え,ことにACPが目指す成果を最期の時点に関する事前指示というように限定せず,本人が現在以降の人生を見渡して,予想される衰えの程度と相関的にどのような治療・ケアを受けるかの心積りをしていくことこそ,本人にとって肝要であることを示す。
著者
清水 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.581, pp.54-65, 2009-07-13

IMEと言えば、例えば「あそうさん」を「麻生さん」に変換するのが本来の役目。しかし、麻生さんの内線番号やメールアドレスに変換するなど、備忘録的な使い方もできるのをご存じだろうか。あるいはメールの決まり文句を一発で入力したり、「うらわざ」でWindowsのコマンド一覧を出すなど、使い方次第で応用は無限大。IMEのキホンから実践テクニックまでを一挙に紹介しよう。
著者
清水 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.491, pp.117-120, 2005-10-10

「マイ ドキュメント」とは?/「マイ ドキュメント」の正体/Dドライブに移動する
著者
清水 哲郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.453, pp.209-212, 2004-03-15

列数・行数を指定して「表を挿入する」作表機能/欧米流の作表方法をワードプロで再確認/罫線を組み合わせるのが日本流の作表方法/欧米のタイプ文化 vs 日本の手書き文化
著者
篠 憲二 清水 哲郎 座小田 豊 野家 啓一 戸島 貴代志 荻原 理 川本 隆史 熊野 純彦
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、規範概念である<幸福>の具体的内実を、人間についての自然科学的・社会科学的諸事実から「導出」し得るとは考えないが、他方で、人間存在の成立諸条件の考察を通じて幸福の所在を或る程度まで突き止める余地のあることを認める。実際、人間存在の生物学的基底に人間のネオテニー性が存し、これが文化のマトリクスとして機能し続けていることが解明されたのは、本研究にとって大きな一歩であった。現代社会において広く共有されている幸福観・幸福感の多くが、それぞれ、それを抱いているひと自身が深くコミットしている態度・立場に照らしても、実は問題含みであることが明らかになった。それは一つには、「生を物語る」という視点が鍛え上げられていないからである。本研究によって、well-beingに関わる情緒とことばを研ぎ澄ませるためのモラリスト的考察が豊かに結実した。哲学史的には、プラトン、アリストテレスが「このひとの生」をいかに問題化したか、フィヒテ、ヘーゲルの説く、普遍性への志向が人間の完成の課題遂行の要であること、レヴィナスの<享受>と<傷つきやすさ>の概念が新たな倫理学の地平を拓きつつあることが明らかになった。本研究の具体的・実践的場面への適用は多岐にわたるが、そこで明らかになった主なことは以下の通り。第一に、医療の倫理の現場で、患者の意向の把握は、患者の生の物語りの総体的理解を実は背景にせざるを得ないこと、そして患者の生の物語りが患者を取りまく人々の生の物語りと絡み合っていること。第二に、農村風景をいかに修景するかを考える上で、農村風景を一種の物語りとして捉え、<享受>と<傷つきやすさ>を考慮する必要性。第三に、科学技術はこれに直接は携わらない人々を含む社会全体のwell-beingに深く関わるが、それは技術がもつ見えにくい政治性によってであること。