著者
清水 欽也 岡本 信司 久米川 真紀
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 25 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.335-338, 2001 (Released:2018-05-16)

本報告では、科学技術政策研究所が行った成人3000人対象の「科学技術に関する意識調査」の結果 (科学クイズ16問と理科教育との関連について) を一部発表する。収集された調査データを分析した結果、我が国の一般成人の科学・技術知識について以下のことが明らかになった。①我が国の一般成人の科学・技術知識について、人口統計学的な属性 (年齢群、性別、学歴、居住区域の都市規模) にかかわらず広く理解されている「一般的知識」が存在する。② 我が国の中学校理科で扱われる内容は、「一般的知識」 の形成に深く関与しており、高校での内容は回答者の社会的属性に基づく知識格差が生じうる内容となっている。③ 平成元年改訂の学習指導要領に基づく、中等科学教育は、本調査に限れば、知識レベルの低下を引き起こしているとはいえない。