著者
栗山 喬行 関口 洋美 大竹 洋平 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第2調査研究グループ
巻号頁・発行日
2011-03 (Released:2012-03-14)

2009 年3 月に日・米・英の3 カ国で、インターネット調査会社の登録モニターを対象に科学技術に関する意識調査を実施したところ、日本は、科学的な課題に対する関心度が米・英両国より低く、特に、20 代~30 代の若年層が低いという結果が得られた。科学技術の各種分野に対するイメージでは、日本人は米国・英国人よりも、「素晴らしく進んだもの」といったプラスのイメージと、「近寄り難い」といったマイナスのイメージを有していることが把握された。今後、我が国では、多くの人にとって科学技術がもっと身近な存在として感じられるようにするため、科学技術の様々な成果や情報を、分かりやすく、かつ、魅力的な内容となるようにして発信するとともに、様々な人が科学について語り合うことができる「科学コミュニケーションの場」を充実していくことが重要となる。
著者
額賀 淑郎
出版者
科学技術政策研究所 第2調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-04-26 (Released:2012-08-09)

本研究の目的は、科学技術コミュニケーションの中で、市民のニーズに応じて科学技術相談や調査研究を行うサイエンスショップに注目して、日本における「大学のサイエンスショップ」の現状を明示し、大学の社会貢献とサイエンスショップのつながりを明らかにすることである。調査結果によれば、大学のサイエンスショップの事例における特徴は、実習、研究、地域の社会貢献であり、取組方法、課題、コミュニケーション等において多様性があった。また、コンセンサス会議、シナリオワークショップ、倫理委員会と比べると、大学のサイエンスショップは、地域や科学技術のアセスメントを行うよりも地域リーダーらの育成を重視していた。
著者
額賀 淑郎
出版者
科学技術政策研究所 第2調査研究グループ
巻号頁・発行日
2011-09 (Released:2012-03-13)

本研究の目的は、科学技術分野の文部科学大臣表彰等の受賞研究の現状を明らかにし、研究者のコミュニケーションと研究成果とのつながりを分析することである。アンケート調査の結果では、まず、受賞研究のアイデアを出すために「これまでの自分の研究」を情報源として、大学院のトレーニングが役に立ったとみなす回答者が多かった。次に、大学の理学工学領域において、研究者とチームに所属しない研究者とのコミュニケーション(以下「ノンチーム対面コミュニケーション」)回数は、研究成果と相関があった。特に、研究代表者のノンチーム対面コミュニケーション回数が多い場合、外国語論文数が多い比率は高かった。また、研究代表者のノンチーム対面コミュニケーション回数が多い場合、研究成果(論文等)が実用化につながった比率は高かった。