著者
清水 習 Shu SHIMIZU 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.67-92, 2022-03-10

本稿では、はじめに、イデオロギー研究としての新自由主義研究の一つのあり方を思想の進化過程モデルをもとに提示する。その後、その研究の初期段階となる「思想としての新自由主義」の系譜学的研究に着手し、新自由主義という思想がどのように欧米と日本において展開し、そして、発展していったかを明らかにする。最終的に、新自由主義の思想的系譜をもとに、思想としての新自由主義とはどのような思想であったかを批判的に考察することで、それが政治や社会の問題を経済的/経済学的効率性の問題へと論理転換していく思想であったことを明確にする。
著者
清水 習 Shu Shimizu
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.245-259, 2017-10-10

2007年から始まる未曽有の金融危機を契機に、新自由主義の批判的な見直しが欧米政治経済研究において、一つの潮流をなしている。学界・一般を問わず、新自由主義を論じる際、「新自由主義 = 市場原理主義」という一つの公式として捉われがちであるが、実際の議論・研究における「新自由主義」の意味は非単一的であり、複雑である。本稿では、新自由主義の定義の多様性を、系譜的に見直し、最終的に、新自由主義研究の発展の可能性を批判的に考察する。
著者
清水 習 シミズ シュウ Shimizu Shu
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.27-40, 2017-03

論説(Article)日本社会科学研究において、談話分析とその理論の認知度は依然として低く、「談話分析」と「言説分析」が同義語として捉えられるような誤解がある。この問題に対し、本稿では、談話分析とその理論誕生の背景を整理し、また、英国財政危機談話の例をもとに分析手法とその応用を明確にすることで、その研究視座と分析射程を思想史的に明らかにした。