著者
清水 習 Shu SHIMIZU 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.67-92, 2022-03-10

本稿では、はじめに、イデオロギー研究としての新自由主義研究の一つのあり方を思想の進化過程モデルをもとに提示する。その後、その研究の初期段階となる「思想としての新自由主義」の系譜学的研究に着手し、新自由主義という思想がどのように欧米と日本において展開し、そして、発展していったかを明らかにする。最終的に、新自由主義の思想的系譜をもとに、思想としての新自由主義とはどのような思想であったかを批判的に考察することで、それが政治や社会の問題を経済的/経済学的効率性の問題へと論理転換していく思想であったことを明確にする。

言及状況

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新自由主義とはどのような思想なのかについて諸説あるという論文。とりあえず言えることは、政治や社会の問題を経済的効率性の問題へと論理転換していく思想だったということ。 新自由主義のイデオロギー研究Ⅰ 思想としての新自由主義の系譜学 清水習 https://t.co/54nVU6oCK2 https://t.co/ayvpyUKuiw
「経済における効率性、そして、その効率性を政治的にどのように利用していくか、また、政治や社会の問題を経済的効率性の観点からどのように捉えることができるか、このような経済学的志向性を促す論理的展開こそ、思想としての新自由主義の本質」 https://t.co/XnJOiMImoa
批判理論を駆使する論者が、「新自由主義」という言葉をあまりに融通無碍に使っているというのはその通り。せめて最低限の系譜はおさえておきたいところ。お勧めはこの文献。 https://t.co/hYzeqGlvA5
清水習「新自由主義のイデオロギー研究Ⅰ」新自由主義のイデオロギーを系譜学的なアプローチから整理して読み解く。日本における展開についても触れられており、極めて有意義。 https://t.co/hYzeqG3mlX

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