著者
清藤 武暢 黄瀬 和之 四方 順司 松本 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.734, pp.13-18, 2005-03-11

グループ署名方式は, ChaumとVan Heystにより提案された署名方式であり, グループに属する利用者がグループの代表として匿名で署名を生成することができ, 問題が生じたときにはグループ管理者により署名生成者を特定することができる方式である.本稿では, これまで計算量的な安全性の枠組みのもとで研究されてきたグループ署名方式について, 情報理論的安全性の枠組みのもとで考える.特に, 情報理論的に安全なグループ署名方式のモデル, 及び安全性の概念を新しく導入する.そして, 安全性の概念の定式化を行う.更に, その強い安全性を満たす具体的な構成法を提案する.
著者
飯田 千代 飯田 周作 清藤 武暢 佐藤 創
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.1, pp.1-7, 2009-05-16

アルゴリズム的思考法とは,目的を達するための処理を基本的な操作に分解し,それらの順序を意識する思考法である.我々は,このアルゴリズム的思考法を,「情報を学ぶ上での基本的な能力」として認識しており,本格的な情報の学習を始める高等学校における重要なテーマであると考えている.本報告では,学生の学習状況を「躓きパターンによる分類」と「学習パターンによる分類」という2つの軸で把握することを提案する.躓きパターンによる分類は学生の理解度を示し,学習パターンによる分類は学生が「暗記型学習」と「思考型学習」のどちらで学習を進めているかを示す.暗記型学習には到達度に限界があり,いかに思考型学習に移行させるかが重要である.Algorithmic thinking style is a problem solving method, which breaks down a process into basic operations and line up them in a proper order. We consider it as a fundamental ability for students who are studying information and computer science. To teach students algorithmic thinking style, it is important to know each student's learning status. We propose two viewpoints: what kinds of topics do they feel difficult and how they try to lean. For the latter viewpoint, there are two possibilities: "learn by memory" and "learn by thinking". It is important to encourage students to switch from "learn by memory" to "learn by thinking".
著者
清藤 武暢
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.196-204, 2023-01-01 (Released:2023-01-01)
参考文献数
30

近年, 異なる組織間でのデータ共有・活用を実現できるプラットホーム (クラウドやブロックチェーンなど) の構築や運用が進んでいる. こうした動きに伴い, 様々な分野において当該プラットホームを利用したデータ共有・活用による社内業務の効率化や新たな価値創出に関する検討が進められている. 特に, 当該業務/サービスにおいて機械学習を利用している組織などでは, こうしたデータ共有・活用により機械学習の性能向上が期待される連合学習 (Federated Learning) と呼ばれる技術が注目されている. 連合学習は, 学習対象のデータセットが複数の組織などで分散管理されている状況において, データセットそのものを当該組織間で共有することなく, 全てのデータセットの特性を反映させた機械学習のモデルを生成できる技術である. 最近では, マーケティングや社内業務の効率などを向上させることを目的とした当該技術の利用に関する検討も活発化している. そこで, 本稿では, 連合学習について概説するとともに, 当該技術に対する攻撃手法とその対策, および実装プラットホームに関する最近の動向について紹介する.
著者
松本 勉 四方 順司 清藤 武暢 古江 岳大 上山 真貴子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.194, pp.73-80, 2005-07-15
参考文献数
3
被引用文献数
3 1

本稿では, 個人認証を行う主体である認証者の手元に個人認証を受けるもの(ユーザ)の個人情報をすべて集めずに, プライバシ保護を志向した分散認証技術について, 課題の抽出, 及び基本方式の検討を行う.すなわち, ユーザの属性情報を秘密分散方式により分散して管理する複数の分散属性認証機関と, ユーザの属性情報を認証者にどの程度示すかをユーザ自らが制御できるモジュールであるユーザアシスタントを導入したモデルを考案し, さらに, この分散認証技術の基本方式を提案する.
著者
飯田 周作 飯田 千代 清藤武暢 佐藤 創
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.57-64, 2008-02-16
被引用文献数
4

アルゴリズム教育は,情報系の学部における重要なトピックスである。しかし,同時に学生の理解に大きな個人差が見られ,ミニマムエッセンシャルズとしてのアルゴリズム教育とは何かという難しい問いに直面している。本報告では,専修大学ネットワーク情報学部における「アルゴリズム的思考法」という科目で行ってきた教育を分析することにより,アルゴリズム的思考法を育成するための教育方法を提案する。At departments of Universities related to computer or information technologies, teaching algorithm is still an important topic. However, there are big dirrerences in the levels of understanding among the students. So, it is important to know what is the essential and minimum part in teaching algorithm. In this article, we analyze student behavior in a subject called "Algorithmic Thinking Style"and propose a new teaching method for algorithm education.