著者
渋谷 昌三 Shozo Shibuya
出版者
学習院大学哲学会
雑誌
哲学会誌 = Annual of the Philosophical Society, Gakushuin University (ISSN:03886247)
巻号頁・発行日
no.3, pp.112-88, 1975-11

あなたがMさんと話をしているときの光景を頭に描いて欲しい。話をしているMさんとあなたの間の距離はどのくらいにありますか。また,Mさんとあなたの身体の向きや視線の接触回数,身振りの多少についても考えて下さい。さらに他の人についても同様な試みを続けてみると,人は対人場面で情況に応じた適切な空間を保持していることに気づくのである。日常生活の中でわれわれがほとんど気づかずに過している空間が様々な重要な意味を持っている。本稿では,こうした空間を人の行動の側面から検討する。
著者
渋谷 昌三
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 = 山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.87-96, 1998

本論文ではaging に関する展望を試みた。aging についての社会心理学的な問題点を次の観点から考察した。(1) 老人イメージの歴史的な変遷とaging への適応,(2) 高齢者の孤独感と幸福感,(3) 結婚生活の変化の問題,(4) aging と性格特性との関係。本論文でとりあげたaging に関する論文からaging についての問題提起をすることができた。
著者
福島 和郎 岩崎 庸男 渋谷 昌三 Kazuro Fukushima Tsuneo Iwasaki Shouzo Shibuya 目白大学大学院心理学研究科 目白大学人間社会学部 目白大学人間社会学部 Mejiro University Graduate School of Psychology Mejiro University Faculity of Human and Social Sciences Mejiro University Faculity of Human and Social Sciences
雑誌
目白大学心理学研究 = Mejiro journal of psychology (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.(2), pp.65-74, 2006

終助詞「よ」と「ね」に関する研究の特徴を研究分野ごとに大別すると、初期の国文法分野を中心とする構文論的アプローチや、最近の発達研究と自閉症研究の分野を中心とする事例に基づくアプローチは、主に「よ」と「ね」の対人関係機能を指摘し、日本語文法、日本語教育、言語心理学の分野を中心とする語用論的アプローチは、主に「よ」と「ね」の内在的意味を指摘し、認知科学分野を中心とする談話管理理論に基づくアプローチは、主に「よ」と「ね」が果たす情報伝達時の手続き的な指示機能を指摘しており、研究分野によって解釈が様々に分かれている。また、研究方法については、大半の研究で研究者の経験や理論に基づいた用例解釈が採用されている。発達研究と自閉症研究および一部の言語心理学分野では統計データを重視した研究方法も採用されているが、こうした研究では分析対象とされる発話文の種類が限定的な用法に留まっている。「よ」と「ね」に関する研究の更なる進展には、学問分野を越えた幅広い視点からの実証的研究が求められよう。