著者
俣野 源晃 山口 悦司 渡辺 桜 置塩 佳奈
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.61-64, 2022-12-18 (Released:2022-12-15)
参考文献数
4

本研究の目的は,アーギュメントの証拠として利用すべき複数の観察・実験結果を必ずしも証拠として記述できていない「アーギュメント構成における証拠の十分性の問題」について,証拠の十分性に関する認識的理解の観点から事例的に検討することであった.俣野・山口・渡辺・置塩(2022)において報告された小学校理科の単元「太陽と地面の様子」に関する証拠の十分性の認識的理解のタイプに即して,事例となる学習者3名を抽出し,個々の学習者における証拠の十分性の認識的理解,証拠の選択,証拠の記述という3者の関係性を検討したところ,アーギュメント構成における証拠の十分性の問題には証拠の十分性に関する認識的理解が影響していることが示唆された.