著者
望月 俊男 チン A. クラーク 山口 悦司 大浦 弘樹
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.17-34, 2022-01-01 (Released:2022-01-01)
参考文献数
73

In today’s “post-truth” era, lay citizens have difficulty trusting and judging what is true based on their integrated comprehension of various information. The amount, diversity, and complexity of information has increased dramatically causing rampant conflicting information originating even from reliable sources in topics such as vaccines, diets, educational methods, and so on. This paper reviews research in epistemic cognition that explores new ways of information literacy in order to improve the abovementioned situation. Based on the AIR model for epistemic cognition, which places particular emphasis on evidential practices, we explain the Grasp of Evidence framework which captures competencies that include evaluation, interpretation, and integration of evidence, as well as evaluation of testimonies of experts who provide such information. Our three projects that explore innovative forms of information literacy education based on the framework are also described in this paper.
著者
山本 智一 竹中 真希子 稲垣 成哲 山口 悦司 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 27 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.163-164, 2003-07-20 (Released:2018-05-16)
参考文献数
4

筆者らは, CSCLシステムのKnowledge Forumを小学校へ導入し, 遺伝子組み換え食品問題をテーマとした授業のデザイン実験を実施してきている。本研究では, 遺伝子組み換え食品に関する内容理解と社会的な論争性を踏まえた上での意思決定という教育目標の達成と, KFを利用した他者の知識へのアクセスという観点から, 子どもたちの知識構築活動の分析を行った。その結果, 多くの他者の知識にアクセスすることは子どもたちの内容理解や意思決定に寄与していた可能性が示唆された。
著者
俣野 源晃 山口 悦司 渡辺 桜 置塩 佳奈
出版者
Japan Society for Science Education
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.61-64, 2022-12-18 (Released:2022-12-15)
参考文献数
4

本研究の目的は,アーギュメントの証拠として利用すべき複数の観察・実験結果を必ずしも証拠として記述できていない「アーギュメント構成における証拠の十分性の問題」について,証拠の十分性に関する認識的理解の観点から事例的に検討することであった.俣野・山口・渡辺・置塩(2022)において報告された小学校理科の単元「太陽と地面の様子」に関する証拠の十分性の認識的理解のタイプに即して,事例となる学習者3名を抽出し,個々の学習者における証拠の十分性の認識的理解,証拠の選択,証拠の記述という3者の関係性を検討したところ,アーギュメント構成における証拠の十分性の問題には証拠の十分性に関する認識的理解が影響していることが示唆された.
著者
北澤 武 望月 俊男 山口 悦司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.1-4, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
10

筆者らは,我が国における学習科学の専門家養成に向けた情報収集を行うために,諸外国における学習科学の教育プログラムについて調査を行ってきた(大浦ほか 2017;河﨑ほか 2017;河野ほか 2017)。この調査の一環として,本稿では,イスラエルのハイファ大学に着目した調査を行った。ハイファ大学の教師教育プログラムでは,学習科学が重視され,これに関する授業が複数開設されていることが明らかになった。
著者
田中 維 黒川 直哉 江草 遼平 楠 房子 山口 悦司 稲垣 成哲 野上 智行
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 41 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.467-468, 2017 (Released:2018-08-16)
参考文献数
6

動物園は,観察を通じて科学教育が行える場所である.動物を観察するためには,観察対象物に関わる知識が必要である.特に子どもが動物を観察できるようになるために,保護者は重要な役割を果たす.本研究は,観察活動中の保護者による言葉がけの実態を明らかにするために,親子の会話を分析する.そのために,動物園における子どもの観察活動を促進する会話フォーム(Patrick & Tunnicliffe, 2013)を,分析フレームワークとして応用した.
著者
田中 達也 神山 真一 山本 智一 山口 悦司
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.119-131, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究の目的は,児童におけるアーギュメント自己評価能力とアーギュメント構成能力には関係があるのか,また,関係があるとすればどのような関係があるのかを予備的に検討することであった。本研究では,まず,両者の関係の有無を検討するため,主張-証拠-理由付けを含むアーギュメントを導入した小学校第3学年の単元「物と重さ」を実施する中で,児童計65名を対象に,アーギュメントを記述させる課題による調査と,児童に自身のアーギュメントを自己評価させる課題による調査を実施した。2つの調査結果から,次の2点が示唆された。(1)アーギュメント自己評価能力が高い児童は,アーギュメント構成能力が高い傾向にある,(2)アーギュメント自己評価能力が低い児童は,アーギュメント構成能力が低い傾向にある。次に,アーギュメント自己評価能力のアーギュメント構成能力への影響を検討するため,アーギュメント構成能力の向上の仕方が異なる児童計16名を対象に,アーギュメントの自己評価の詳細をたずねる面接調査を実施した。この調査の結果から,次の2点が示唆された。(1)自分が記述したアーギュメントの成否を適切に判定したり,自分が記述したアーギュメントの問題点を説明したりすることができる児童は,アーギュメント構成能力が向上していた傾向にある,(2)自分が記述したアーギュメントの成否を適切に判定したり,自分が記述したアーギュメントの問題点を説明したりすることができない児童は,アーギュメント構成能力が向上していない傾向にある。
著者
俣野 源晃 山本 智一 山口 悦司 坂本 美紀 神山 真一
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.187-195, 2021-07-30 (Released:2021-07-30)
参考文献数
14

本研究の目的は,複数の証拠として,適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で,McNeill and Krajcik(2011)の教授方略を援用してデザインした授業の有効性について,小学校第5学年の単元「電流がつくる磁力」を事例として明らかにすることである。山本・稲垣ら(2013)は,同学年の単元「物の溶け方」を事例として,教授方略を援用した授業をデザインし,その有効性を明らかにしている。本研究は,異なる単元においても教授方略を援用した授業が適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で有効なのかを新たに検証するものである。アーギュメント構成能力を評価するために,第5学年の2クラスの児童計65名を対象に,既習内容に関するアーギュメント課題を単元前後に実施した。課題の回答を分析した結果,児童は,主張に関連する科学的な証拠のみを利用する適切性の点において,アーギュメント構成能力が向上したことが明らかになった。また,量的,質的なものを含めた多様な証拠を利用する十分性の点においては,部分的ではあるが,アーギュメント構成能力が向上したことが明らかになった。しかしながら,同時に,証拠の十分性の一部についてはさほど向上しなかったことも見出された。その理由を探るために,証拠の選択率を補足的に分析したところ,実験結果の意味を類推しなければならない「間接的な証拠」を選択することが必ずしもできていないことがわかった。以上の結果を総合的に考察することで,McNeill and Krajcik(2011)の教授方略を援用してデザインした授業は,単元「電流がつくる磁力」においても,適切かつ十分な証拠を利用するアーギュメント構成能力を育成する上で有効であると結論づけることができた。併せて,教授方略を援用してデザインした授業は,「単元内におけるアーギュメントの複数回指導」と「間接的な証拠利用の促進」という点で改善の余地があると考えられる。
著者
山口 悦司
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.369-385, 2017-03-18 (Released:2017-07-08)
参考文献数
77
被引用文献数
1

本研究の目的は, 教科書準拠の教師用指導書に焦点を当てて, 理科を教える教師の学習を支援しうる特徴を我が国の教師用指導書がいかに備えているかを解明する試みの第1歩として, 小学校第6学年「月と太陽」の単元を事例とした分析結果を報告することであった. 具体的には, 教育的カリキュラム資料という理論的概念に基づいた分析フレームワークを採用し, 小学校理科の教科書を出版している全6社が発行する教師用指導書を分析対象として, (1)どのような内容の専門的知識の学習が重点的に支援されているのか(支援の内容), (2)専門的知識の学習支援のために, どのような形態が活用されているのか(支援の形態), という2点を明らかにすることを試みた. その結果, 本研究で対象とした教師用指導書について, 以下の2点を明らかにすることができた. (1)支援の内容については, 科学の内容に関するPCK(Pedagogical Content Knowledge)の学習, および科学の方法に関するPCKの学習が重点的に支援されている. とりわけ, 科学の内容に関するPCKについては, 単元に固有な科学の事象に児童が取り組むことに関する知識の学習が, 科学の方法に関するPCKについては, 問題設定, データ収集・分析, 証拠に基づく説明のそれぞれに児童が取り組むことに関する知識の学習が手厚く支援されている. その一方で, 研究計画の立案やコミュニケーションに関する知識の学習は, あまり支援されていない. (2)支援の形態については, 実施の手引き, すなわち, 個々の教授方法・教材・学習活動を効果的に利用する仕方に関する学習を支援する形態が活用されている. これに対して, 理論的根拠, すなわち, 教授方法・教材・学習活動について, それらが教育的・科学的に適切である理由に関する教師の学習を支援する形態はあまり活用されていない. 以上の結果に基づいて, 秀逸点と問題点という2つの側面から, 我が国の教師用指導書の特徴を考察した.
著者
山本 智一 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 坂本 美紀 大島 純 大島 律子 村山 功
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.423-424, 2004
参考文献数
2
被引用文献数
2

筆者らは, Knowledge Forum を利用して,遺伝子組み換え食品問題に対する社会的意思決定をテーマとした科学教育のためのCSCL環境を開発している.本研究では,遺伝子組み換え食品についての基礎的内容に対する学習者の理解度を検討した.その結果,多くの学習者は,遺伝子,遺伝子組み換えと品種改良,遺伝子組み換え食品の現在といった基礎的な内容をおおむね理解できていたが,他種間の品種改良や世界の表示状況についてはあまり理解できていなかったことがわかった.
著者
山口 悦司 舟生 日出男 出口 明子 稲垣 成哲
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.391-392, 2010

筆者らは,iPhone/iPod touchの環境で運用できるデジタル運勢ラインシステムを開発している.本研究では,同システムの試験的評価として,大学院生を対象とした実験授業を実施し,大学院生への面接調査を通して,iPhone/iPod touch版システムとして新たに生じると考えられるユーザインターフェース上の利点や問題点を明らかにした.その結果,小さくて,軽いデバイス上で同システムを利用すること,マルチタッチ入力のデバイス上で同システムを利用すること,1人1台のデバイス環境で同システムを利用することの利点や問題点が明らかとなった.
著者
出口 明子 舟生 日出男 山口 悦司 稲垣 成哲
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.35-38, 2003
参考文献数
13
被引用文献数
4

筆者らは,再構成型コンセプトマップ作成ソフトウェアの開発に取り組んできている.本稿では,ユーザーのニーズを反映しながら2003年度に行ってきたソフトウェアの機能拡張について報告するとともに,カラーパレットの色数を増加した最新バージョンを紹介する.
著者
田中 維 江草 遼平 楠 房子 奥山 英登 山口 悦司 稲垣 成哲 野上 智行
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.210-224, 2018 (Released:2018-10-27)
参考文献数
18

We developed and evaluated animation-based learning contents for supporting scientific observations of animals in zoos. The contents provide the viewpoints of scientific observation. In order to evaluate whether the contents support observation, we developed cases of contents for observable features and behaviors of the hind flippers, noses, and claws of seals, and implemented a workshop for parents and children. The participants of the workshop were 15 parent-child pairs. Their average age was 7.0 years (SD = 2.0). We analyzed the video data of these 15 parent-child pairs’ observations using the contents. The results show that most parent-child pairs were able to observe the seals’ features and/or behavior using animation-based learning contents.
著者
坂本 美紀 稲垣 成哲 竹中 真希子 山口 悦司 藤本 雅司 山本 智一 大島 純 大島 律子 村山 功 中山 迅 近江戸 伸子 竹下 裕子
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.425-426, 2004

筆者らは,遺伝子組み換え食品(GMF)を題材にした科学教育のためのCSCL環境を開発し,小学生を対象にデザイン実験を行っている.本研究では,このデザイン実験の評価の一環として, GMFに対する理解とイメージが,単元の学習を通して変容したかどうかを検討した.分析の結果,概念的理解については. GMFの基礎知識や論争性についての理解が進んだことが明らかになった。また,イメージの変容も確認された.
著者
山口 悦司 稲垣 成哲
出版者
一般社団法人日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.204-214, 1998-12-10
被引用文献数
3