著者
梶返 昭二 山本 益司 渡辺 茂樹 廣利 芳樹 西田 晶子 藤崎 静男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.10, pp.1757-1764, 1989-10-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
18
被引用文献数
1

種々の9-置換9-(2-プロモメチルフェニル)フルオレン誘導体〔1〕(9-置換基としてOH,CH20HCOOH,COCH8,COOcH8など)を合成し,ついでこれらに塩基を作用させたところ,好収率でO-フェニレン基を環内に含むスピロフルオレン誘導体が得られた。また,いくつかの9-[2-(ヒドロキシアをぜルキル)フェニル]-9-フルオレノール誘導体〔2〕(ヒドロキシアルキル基としてCH20H,CH,C(CH8)20H,CH2C(CHs)(C2H,)OH,CH2C(C2H,)20Hなど)を合成し,これらを酢酸中,酸触媒存在下加熱して分子内脱水し,同じくスピロフルオレン誘導体を得た。また,こめ際のスピロフルオレン誘導体の生成機構を考察した。
著者
渡辺 茂樹 土谷 大輔 金城 利彦
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.250-254, 2012-03-20
参考文献数
18

自然縮小した髄膜腫3例を報告する.症例は72〜79歳のいずれも高齢の男性で,2例は小脳梗塞で発症,1例はめまいで施行のMRIで無症候性の髄膜腫が傍矢状洞部,中頭蓋窩,嗅窩部に認められた.経時的MRIで4年半,6年,6年半で腫瘍の縮小(それぞれ6.1cm^3から1.1cm^3,7.2cm^3から2.4cm^3,16.0cm^3から4.0cm^3:縮小率82%,53%,75%)が認められた.腫瘍体積はCavalieriの法則Volume=4/3×π×a/2×b/2×c/2(a,b,cは3方向の径)で計測した.これまでに髄膜腫の自然縮小の報告はない.腫瘍縮小の機序は不明であるが,高齢者無症候性髄膜腫では自然縮小する可能性もあり,慎重に経過観察をするべきである.