著者
渡邊 正一
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
消化器病学 (ISSN:21851158)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.373-436,en11, 1940

正常血漿及ビ1%葡萄糖加血漿ト鶏胎兒壓搾液トヨリ成レル培地内ニ種々ナル濃度ノ「カンタン」・「エビナス」・「トリプトファン」・「グリココル」及ゼ「ヤノール」ヲ添加シDeckglass法ニ依リテ鶏胎兒小腸組織ノ培養ヲ行ヒ, 其ノ發育・培地ノ變化・新生組織細胞及ビ母組織内ニ於ケル糖原出現等ニ及ボス之等藥剤ノ影響ヲ検索セリ.<BR>培養小腸上皮細胞ノ發育ハ高濃度ニ於テハ何レモ阻止セラノレ、モ, 一定濃度ニ於テハ各藥剤共ニ發育促進作用アルヲ認メ, 「フィプロプラステン」ノ發育モー定濃度ニ於テ促進サル、ヲ認ム.<BR>遊走細胞ノ出現度竝ビニ培地ノ液化ニ對シテハ諸種藥物ノ影響認メ難シ.<BR>又培養組織粘膜上皮細胞及ビ新生粘膜上皮細胞内糖原出現ニ對シ「カンタン」及ビ「エビナス」ハ各濃度共ニ促進シラ高濃度ノ「トリブトファン」・「グリココル」及ビ「ヤノール」添加ニヨリ糖加培地ニ於テ抑劇的ニ作用シ, 低濃度ニ於テハ影響ヲ認メズ.<BR>億組織筋層内出現ノ糖原量ハ「カンタン」及ビ高濃度「エビナス」添加ニヨリ輕度ノ増量ヲ見ル.環輪状竝ビニ膜様増殖ヲ示セル部分ニ於ケル糖原出現ニ對シテハ餐種藥醐添加ニヨル影響テ認メズ.