著者
渡邊 隆弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.371-377, 2010
参考文献数
19
被引用文献数
2

典拠コントロールは,図書館目録の集中機能を実現するための重要な機構である。本稿ではまず,現行の目録法における典拠コントロールの仕組みを整理し,いくつかの問題点を指摘する。続いて,目録の変革を目指す近年の動向における典拠コントロールの方向性を,書誌コントロール政策,次世代OPAC,新しい目録法(FRBR/FRAD,国際目録原則,RDA)の各観点から整理する。さらに,図書館外のコミュニティにおける「識別子」の動向,典拠データを図書館外のコミュニティに開放する取り組みについても述べる。情報環境の変化を背景とした諸動向のなかで,典拠コントロールは以前より明確に位置づけられ,その重要性は増している。
著者
渡邊 隆弘 清田 陽司 田辺 浩介
出版者
京都大学図書館機構
巻号頁・発行日
2009-11-27

会期・会場: 2009年11月27日(金) 13:30-16:50 : 京都大学人間・環境学研究科棟地下大講義室 ; 主催: 京都大学図書館機構. 共催: 国立大学図書館協会近畿地区協会. 共催: 大学図書館近畿イニシアティブ.
著者
渡邊 隆弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.434-440, 2011-11-01

図書館目録の集中機能を保障する典拠コントロールは,書誌コントロールの枠組みの見直しをはかる近年の議論の中でも,今後維持・強化していくべき機能としてとらえられている。また,次世代のウェブとして研究開発が続く「セマンティックウェブ」において,意味情報の共有を実現する「オントロジー」が重要な要素技術となっており,これには目録における典拠コントロールと相通じるところがある。本稿では,典拠コントロールの今日的位置づけ,名称典拠,主題典拠(および統制語彙)それぞれの最近の動向について整理するとともに,オントロジーについて典拠コントロールとの関わりも含めて述べる。
著者
渡邊 隆弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.108-113, 2006-03-01

目録の集中機能を担う典拠コントロールは,レファレンスの品質を確実にするためにも欠かせないものである。本稿では,典拠コントロールの2つのトピック,FRARとLCSHを概説する。FRAE(『典拠レコードの機能要件』)は,IFLAがFRBRに続いて作成している,名前典拠を主対象としたE-R分析による概念モデルである。公開草案に述べられた典拠ファイルの機能と利用者タスク,さらに「実体」「属性」「関連」の分析について述べる。世界的に広く用いられている件名標目表であるLCSH(米国議会図書館件名標目表)については,その基本的特徴や標目・細目・参照構造の概略,さらに近年の動向について述べる。
著者
渡邊 隆弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.434-440, 2011-11-01 (Released:2017-04-20)
参考文献数
35
被引用文献数
1

図書館目録の集中機能を保障する典拠コントロールは,書誌コントロールの枠組みの見直しをはかる近年の議論の中でも,今後維持・強化していくべき機能としてとらえられている。また,次世代のウェブとして研究開発が続く「セマンティックウェブ」において,意味情報の共有を実現する「オントロジー」が重要な要素技術となっており,これには目録における典拠コントロールと相通じるところがある。本稿では,典拠コントロールの今日的位置づけ,名称典拠,主題典拠(および統制語彙)それぞれの最近の動向について整理するとともに,オントロジーについて典拠コントロールとの関わりも含めて述べる。
著者
和中 幹雄 渡邊 隆弘 田窪 直規 松井 純子 研谷 紀夫 横谷 弘美
出版者
大阪学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

情報のデジタル化・ネットワーク化が進展するにつれ、図書館目録は、他のコミュニティのメタデータとのつながりが求められるようになった。本研究では、新たな環境における図書館および文化機関(文書館、博物館など)の書誌コントロールの在り方の現状を分析するとともに、歴史的変遷を辿った。Linked Open Dataを用いたウェブ上での書誌コントロールにおいては、FRBRにおける各種実体(著作、体現形、個人、団体等)の識別子が重要となる。このような観点から、今後のわが国における書誌コントロールの課題(文書館・博物館における標準化意識、出版界との連携、複数のMARCの調整、典拠コントロールなど)を抽出した。
著者
渡邊 隆弘
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.430-435, 2008-09-01
被引用文献数
3

この数年,図書館目録について,危機意識を背景とした将来論議が活発に行われている。本稿では,米国議会図書館(LC)「書誌コントロールの将来ワーキンググループ」の報告書(2008年1月)を材料として,外部データの活用による効率化,目録作業に関する協働の推進,典拠コントロールの重視,ユニーク資料の組織化,OPACの機能改善,目録規則とLCSHの変革,等の論点を整理する。あわせて,わが国での将来検討について,米国の議論との比較のもとに考察する。効率化のための方策,書誌データの在り方に関する意識では,両国の議論に相違点が見られる。