著者
奥津 朋彦 小林 誠 小出 容子 高田 貴虎 滝口 尚 山本 松男
出版者
Showa University Dental Society
雑誌
昭和歯学会雑誌 (ISSN:0285922X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.165-172, 2007-09-30
被引用文献数
1

近年, 培養歯根膜細胞やそこから分取した組織幹細胞の歯周組織再生への応用は, より確実な歯周組織再生療法を確立するための一つの戦略であると考えられている.しかし, この細胞集団はヘテロであり, 現時点では種々の問葉系細胞の前駆細胞や問葉系幹細胞がどの程度存在するかを直接的に知ることはできない.そこで本研究では, このような細胞療法を確実なものにするための第一段階として, 培養ヒト歯根膜細胞 (HPL cells) の骨, 脂肪, 軟骨への分化能を, コントロールとして使用したヒト骨髄問葉系幹細胞との比較において定性的に評価した.その結果, HPL cells中には骨芽細胞様細胞が豊富に存在しており, また脂肪細胞前駆細胞も存在するもののその数は著しく少ないこと, 一方, 軟骨細胞前駆細胞の存在の可能性は著しく低いことが明らかになった.さらに, 脂肪細胞前駆細胞はHPL cellsから分取したalkaline phosphatase陽性細胞率の低い細胞集団に多く存在していた.