著者
吾妻 重二 三浦 國雄 陶 徳民 湯浅 邦弘 二階堂 善弘 藤田 高夫 澤井 啓一 井澤 耕一 藪田 貫 原田 正俊 増田 周子 篠原 啓方 西村 昌也 于 臣
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

東アジア地域、すなわち中国、韓国・朝鮮、ベトナム、日本など「漢字文化圏」といわれる諸地域における伝統教養の形成と展開を、書院・私塾における教育と講学機能を通して学際的に考察し、多くの論文、図書を公刊した。他の個別作業としては、朱熹の書院講学の記録『朱子語類』の訳注を作成し、さらに大阪の漢学塾「泊園書院」およびその蔵書「泊園文庫」を調査して『泊園書院歴史資料集』や『泊園文庫印譜集』などを公刊するとともに、充実したコンテンツをもつ「WEB 泊園書院」を公開した。
著者
澤井 啓一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.1-10, 1990-10-10 (Released:2017-08-01)

荻生徂徠は唐詩をモデルとする「擬古」を提唱した。徂徠の唐詩モデル論の分析から、文字が人為の、音声が自然の表象であり、聖人によって制作された<古文辞>とは両者の調和的結合が達成された言語モデルであるという言説が取りだされる。徂徠は、この<古文辞>の分裂・崩壊過程という歴史=物語のなかで、<古文辞>による「擬古」を提唱した。徂徠における「擬古」は、不可視な現実世界を確かに把描するための認識-表現行為であった。