著者
濱谷 亮子 成松 泉 飯塚 美和子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.160, 2005

[目的] シュウ酸の生体内での働きは未解明な部分が多い。また緑茶はシュウ酸を含む食物としても知られているが、そのシュウ酸含量、特に近年消費量を伸ばしているペットボトル緑茶飲料のシュウ酸含量についての報告は少ない。本研究ではHPLC (島津LC-10A、カラム: Develosil RPAQUEOUS-AR-5) を用いてペットボトル緑茶飲料のシュウ酸含量を測定した。さらに急須から入れた緑茶、各種飲料についても定量し、飲料から摂取するシュウ酸量を検討した。<br>[方法] HPLC分析により、特定保健用食品など機能性飲料を含むペットボトル緑茶飲料18銘柄、ブレンド茶2銘柄、ほうじ茶、烏龍茶、紅茶、グアバ茶、コーヒーの各種既製清涼飲料、ドリップコーヒー、及びティーバッグ紅茶浸出液中のシュウ酸含量を定量した。<br>[結果] シュウ酸含量は、ペットボトル緑茶飲料で34_から_103mg/lであった。また茶葉浸出液中のシュウ酸含量は1煎目で平均226mg/l、2煎目で平均79mg/lであり、全銘柄で1煎目が高値だった。さらに、紅茶、ブレンド茶など、その他の飲料にもシュウ酸が含まれていた。今後も食品から摂取するシュウ酸量の検討とともに、シュウ酸の生体内での作用解明が望まれる。
著者
濱谷 亮子
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.97-100, 2008-03

国民が主体的に取り組む健康づくり運動として2010年までの重点的な目標を示した「健康日本21」が推進されているが,中間年にあたる2005年の実績値によると策定時よりも悪化した項目も少なくないのが現状であり,市町村,地域レベルでの具体的支援が求められる。本調査では「さいたまヘルスプラン21」に関するアンケートを実施し,女子短期大学生の現状把握と2010年目標値に対する達成度の評価,問題点の検討を行った。栄養・食生活に関する項目は調査時に2010年目標値に達成していたが,休養・こころの健康づくり,健康管理に関する項目は目標値に達しておらず,さらには睡眠による休息の充足状況は健康感に関連する一要因であると示唆された。対象者の実態把握を十分に行い,国及び地方公共団体等の行政にとどまらず職場,学校,地域,家庭等で具体的な支援策を検討することが,今後の健康づくりを推進する上で不可欠といえる。
著者
濱谷 亮子 大津 美紀
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.57-61, 2007-03

腎臓疾患における栄養食事療法は薬物療法とともに治療方法として確立されており,保存期慢性腎不全成人期症例においてはたんぱく質制限食による腎機能低下抑制効果が報告されている。乳幼児,小児保存期慢性腎不全においては,成長発育段階にあることを考慮し,腎機能低下の抑制,かつ成長発育を促す栄養管理が必須であると考えられる。本研究では保存期慢性腎不全離乳期症例の栄養管理を行い,エネルギー,たんぱく質摂取量ならびにエネルギー・たんぱく質摂取比率と腎機能の推移を検討した。BUNの年間推移より指示栄養量に相応するエネルギー摂取量の確保ならびに適正なエネルギー.たんぱく質摂取比率の維持が腎機能低下抑制に対して有効であると認めた。