- 著者
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吉田 真弓
濱野 光市
辻井 弘忠
- 出版者
- 日本繁殖生物学会
- 雑誌
- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.98, pp.145, 2005
【目的】リラキシンはペプチドホルモンの一種であり、分娩時の恥骨間靱帯の伸長や産道拡大などの働きを持つ。その一方で、脳や雄性生殖器にも受容体が存在することが報告されており、多機能なホルモンであることが分かっている。スナネズミは、癲癇や脳虚血等の疾患モデル動物として有用な実験動物であるが、近年LHやFSHの配列が決定されたところであり、生理学分野における研究の歴史は浅い。そこで本研究では、スナネズミにおけるリラキシン研究の導入とするべく、スナネズミのリラキシン塩基配列を決定し、既に配列の分かっているマウス・ブタ・ヒトなどを対照とし、塩基・アミノ酸配列の比較を行った。【方法】妊娠15,19,23日目のメススナネズミから卵巣・胎盤・子宮・脳を採取し、LN<SUB>2</SUB>で急速に凍結した。サンプルからISOGENを用いてTotal RNAを抽出した。RT-PCRを行いFirst strand cDNAを作成した。ハムスターリラキシンから構築したプライマーを元にPCRを行った。cDNAのプールの評価のために、G3PDHプライマーを用いた。PCR産物はアガロースゲル電気泳動を行い、目的のバンドからPCR産物の抽出を行ったのちシークエンスを行い、配列決定をした。【結果】全ての実験区に於いて、First strand cDNAがもたらされたが、そのうち、メススナネズミの卵巣由来のcDNAからリラキシンのB-chainを含む塩基配列が増幅され、この塩基配列を決定することが出来た。また、この塩基配列及びそれから推定されたアミノ酸配列は特にハムスターのものと高い相同性を示した。