- 著者
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瀧澤 武信
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理 (ISSN:04478053)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.8, pp.875-881, 2006-08-15
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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7
第16回世界コンピュータ将棋選手権で初出場初優勝した「Bonanza」の特徴を概観する. Bonanzaは作者が将棋をあまり知らない上に,コンピュータ将棋の論文を読まずコンピュータチェスの論文のみを参考に開発した.作者によると.Bonanzaの局面の探索の手法は,「全幅探索」とほぼ同様な結果を得られるものを用いており,評価関数は10 000個のパラメータを自動チューニングして最適化したものを用いている.項目数が多いが,構造が簡単なために軽い評価関数に仕上げ,スピードを獲得したと思われる.さらに,基本データ構造にBitboardを採用することで,プログラムの実行速度を上げているとのことであり,これらが相まって成功を収めたと思われる.Bonanzaの登場により,コンピュータ将棋の進歩が一層早まり,10年以内にトッププロに迫るものが現れても不思議でない状況となった.