著者
熊木 武志 下村 優太郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J105-D, no.8, pp.499-503, 2022-08-01

本研究は,近年大きな社会問題となっている,スマートフォンを用いた盗撮行為に対して,新しい抑止技術を提案するものである.具体的には,LED照明を利用して,CMOSイメージセンサで撮影された動画に対し,ムービースタンプと呼ぶフリッカを埋め込み,画質を劣化させる.それとともに,このスタンプから動画が撮影された日時や場所等の情報を抽出することで,盗撮行為の抑止につなげる.更には,盗撮動画がインターネットにアップロードされる2次被害も抑えることが可能となる.一般にフリッカは,ノイズとみなされ,いかに低減するかが重要であったが,本研究はこれを積極的に活用することで,社会問題の解決へとつなげる,他に類を見ない技術である.
著者
中川 和歩 堀 遼平 熊木 武志 木股 雅章 藤野 穀
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.36, pp.1-6, 2013-03-06

近年,家庭やピル等にセンサネットワークを設置し,温度・湿度・赤外線等の計測データを用いて施設全体を管理することで,電力エネルギー消費の削減,セキュリティーの強化など,様々なサービスを行うことが注目されている.今後センサノードの設置数が増加していくと,センサネットワーク自体の消費電力を削減し,電池交換やメンテナンスの頻度を低減することが重要となる.我々は,センサノードの消費電力を極限まで削減する方法として,通常は電源を遮断し,センシングする時間のみに電源を投入するというノーマリーオフ動作の検討を行っている.本研究ではセンサノードの構成要素である,センサ,マイコン等の電源を独立してダイナミックに計測できる測定系を構築した.本測定系を用いて,温度センサと湿度センサを用いて,スタンバイ電流と動作電流,電源投入時の過渡電流・出力安定化時間を測定した.さらに,センサーのノーマリオフ制御およびセンサーデータのA/D変換を行うマイコンの動作電流を測定した.これらの計測結果より,ノーマリーオフ動作を適用した際の消費電力低減効果を明らかにした結果を報告する.Recently, various kinds of services such as energy saving and security monitoring were progressed by monitoring temperature, humidity, and infra-red on sensor networks which are deployed in the home or building. The power saving of sensor node itself will be important with the increasing number of sensor nodes, because the interval of maintenance including battery exchange will be pro-longed. We aim to develop the ultra-low power sensor node by utilizing the "Normally Off" operation by which the power of sensor is only activated during the sensing period. In this study, we have developed power measurement system which can monitor the power consumption of sensor and controller, respectively. We have measured the dynamic power consumption characteristics of temperature and humidity sensors. In addition, we have also measured the dynamic power consumption characteristics of microcontroller. Finally, we clarify the power reduction effect on sensor node by utilizing "Normally Off" operation.
著者
石崎 雅勝 熊木 武志 幸野 豊 田上 正治 小出 哲士 ユルゲン マタウシュ ハンス 黒田 泰人 行天 隆幸 野田 英行 堂阪 勝己 有本 和民 齊藤 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.425, pp.125-130, 2006-12-07

ハフマン符号化とはデータ圧縮技術の主流となっている方式の一つであり,高速かつ高圧縮であることが求められている.本報告では符号化にCAMによる一致検索結果を利用することで並列に符号化を実現する方法,及び符号化テーブルをリアルタイムにアップデートし,最適化することによって高い圧縮率を得ることができるアーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャにおいて,テーブルを交換するタイミングを最適化することで,より高い圧縮率を得ることができると考え,シミュレーションによりJPEG画像におけるアップデートタイミングの最適化を行ったところ,データサイズはスタンダードテーブルを用いたハフマン符号化と比較し,最大22.6%の削減を実現した.