著者
日浦 勉 陶山 佳久 彦坂 幸毅 熊谷 朝臣 内海 泰弘 陶山 佳久 彦坂 幸毅 熊谷 朝臣 内海 泰弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

日本列島に広く分布するブナは光合成窒素利用効率、窒素生産力、窒素滞留時間、夏場の蒸散速度、水利用効率、リター分解速度、摂食機能群ごとの葉の食害度など様々な機能的性質に地理的な変異を持つことが明らかとなった。これらの形質は遺伝的にも固定されていると考えられることから、現在のブナ林生態系は環境変動に対してある程度可塑的に応答するものの、温暖化など急速な変化に対しては脆弱な側面もあると考えられた。
著者
熊谷 朝臣 大槻 恭一 溝上 展也 市栄 智明
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

カンボジア熱帯季節林において、外来樹種は郷土樹種より光合成能力が高いが、乾季に気孔を閉じ気味になること、一方、郷土樹種は乾季も地中深くまで伸ばした根のおかげで雨季に貯えられた地下水を利用して気孔を開け気味にできること、が分かった。東南アジア熱帯雨林の主要樹種であるリュウノウジュを対象として降水遮断実験を行った。樹体内の通水分布を考慮した精密な樹液流計測により単木~個葉スケールの蒸散速度を算定することができ、蒸散と環境因子との対応関係から、乾燥条件の気孔開閉に及ぼす影響を考察した結果、リュウノウジュは乾燥に対して極端に気孔開閉による水利用の節約を行わないということがわかった。