著者
藤田 君支 牧本 清子
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.2_53-2_60, 2007-06-20 (Released:2011-09-09)
被引用文献数
3 2

本研究の目的は,人工股関節患者における主観的な身体的健康状態の測定するために,Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)(日本語翻訳版)の信頼性・妥当性を検討することである.術後1年以上の220名を分析した結果,WOMAC下位項目の「痛み」項目で床効果があったが,内的整合性はWOMACの3つの下位尺度内でのCronbach's α係数が0.74~0.95で,29名の再調査によるSpearman相関係数,各項目の一致率が高く,信頼性が示された.SF-36との比較による基準関連妥当性と弁別的妥当性は認められたが,構成妥当性についてはWOMAC(英語原版)と尺度構造が異なる股関節術後患者の身体的な特徴に即した4因子構造の解釈が妥当と考える.日本人股関節術患者において,WOMAC(日本語翻訳版)の信頼性・妥当性が示され,評価指標として有用なことが示唆された.
著者
神崎 初美 片山 貴文 芦田 信之 周藤 俊治 牧本 清子 東 ますみ
出版者
兵庫県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

Web上で療養記録が実施できる症状管理サイトを作成し、RA患者の記述した内容を分析することで病気や症状がコーピングに与える影響を明らかにするため調査している。現在、まだ調査は継続中であるが途中の経過を報告する。PCや携帯の画面で使用できるよう作成した。「今日の体調」をクリックすると日々の症状(痛み・痛む関節の場所・数・その他記述データ)と天候・気分・活動度を毎日入力できる。入力した数値データはパソコン上で月間グラフとして、また記述データはテキスト内容を見ることができ、A4サイズ1枚にプリントアウトもできる。このため療養記録として診察に持参することもできる。研究対象者:Web上に自発的に登録する者と入院RA患者のうちWeb上の症状管理サイトへの記述を説明し承諾した者としている。以下(1)〜(6)の内容について現在、データを収集中である。(1)Webサイトへの使用頻度の集計(2)記述文字数(3)記述内容のカテゴリー分け(4)天候や痛みと症状との相関(5)診療内容や療養生活と症状との関連(6)Webサイト改良のため生活上の利点欠点、診療場面利用への有効性など研究協力者の感想を聴くリウマチ患者にとっても自身でも把握が困難だったRA患者の病状変化をセルフモニタリングにより自身で分析でき、病を悪化させている要因を客観的に分析することができる。また、それを診療場面に活かすこともできる。例えば天候・痛み・薬物療法と症状との関連など系統的な把握が可能になる。個別対応型であり、より深く正確な情報がプライバシーを保持しながら得る事が出来ると考える。