- 著者
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藤田 君支
牧本 清子
- 出版者
- 公益社団法人 日本看護科学学会
- 雑誌
- 日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.2, pp.2_53-2_60, 2007-06-20 (Released:2011-09-09)
- 被引用文献数
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2
本研究の目的は,人工股関節患者における主観的な身体的健康状態の測定するために,Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)(日本語翻訳版)の信頼性・妥当性を検討することである.術後1年以上の220名を分析した結果,WOMAC下位項目の「痛み」項目で床効果があったが,内的整合性はWOMACの3つの下位尺度内でのCronbach's α係数が0.74~0.95で,29名の再調査によるSpearman相関係数,各項目の一致率が高く,信頼性が示された.SF-36との比較による基準関連妥当性と弁別的妥当性は認められたが,構成妥当性についてはWOMAC(英語原版)と尺度構造が異なる股関節術後患者の身体的な特徴に即した4因子構造の解釈が妥当と考える.日本人股関節術患者において,WOMAC(日本語翻訳版)の信頼性・妥当性が示され,評価指標として有用なことが示唆された.