著者
神崎 初美 片山 貴文 芦田 信之 周藤 俊治 牧本 清子 東 ますみ
出版者
兵庫県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

Web上で療養記録が実施できる症状管理サイトを作成し、RA患者の記述した内容を分析することで病気や症状がコーピングに与える影響を明らかにするため調査している。現在、まだ調査は継続中であるが途中の経過を報告する。PCや携帯の画面で使用できるよう作成した。「今日の体調」をクリックすると日々の症状(痛み・痛む関節の場所・数・その他記述データ)と天候・気分・活動度を毎日入力できる。入力した数値データはパソコン上で月間グラフとして、また記述データはテキスト内容を見ることができ、A4サイズ1枚にプリントアウトもできる。このため療養記録として診察に持参することもできる。研究対象者:Web上に自発的に登録する者と入院RA患者のうちWeb上の症状管理サイトへの記述を説明し承諾した者としている。以下(1)〜(6)の内容について現在、データを収集中である。(1)Webサイトへの使用頻度の集計(2)記述文字数(3)記述内容のカテゴリー分け(4)天候や痛みと症状との相関(5)診療内容や療養生活と症状との関連(6)Webサイト改良のため生活上の利点欠点、診療場面利用への有効性など研究協力者の感想を聴くリウマチ患者にとっても自身でも把握が困難だったRA患者の病状変化をセルフモニタリングにより自身で分析でき、病を悪化させている要因を客観的に分析することができる。また、それを診療場面に活かすこともできる。例えば天候・痛み・薬物療法と症状との関連など系統的な把握が可能になる。個別対応型であり、より深く正確な情報がプライバシーを保持しながら得る事が出来ると考える。
著者
東 照正 芦田 信之 三輪 のり子
出版者
千里金蘭大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

介護予防・健康増進としての運動は、単に集団体操やフィットネスだけでは楽しくない。近年、欧米では、アーケードゲームを福祉施設に設置し、高齢者のリハビリを兼ねたレクレーション活動が盛んである。体感型ゲームスポーツだと、ゲームになじむ若者とそうでない高齢者が体力差や技能差を意識せずに一緒に楽しめる。しかし、多くの体感型ゲームスポーツでは、視覚や脳機能と、一部の身体機能のみを使う場合が多く、理にかなった運動動作になっていない。これらの問題点を解決し、同時に、情報弱者(デジタルデバイド)をなくするために、体感型ゲームスポーツと動画双方向通信を組み合わせ、遠隔指導による地域高齢者スポーツ活動を推進した。
著者
神崎 初美 東 ますみ 芦田 信之 那須 靖弘
出版者
兵庫県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

災害支援Ns養成に活かす仕組みとして、1)育成支援システムを構築するため、詳細な学習プログラムを作成した。2)個人評価システムの構築として、プログラム受講効果を受講前と後・半年後(フォローアップ研修時)に評価できる評価表を作成し、自己評価制とした。3)集団教育支援の査定(看護ケアの質の安定性と継続ケアの実現性に関する評価)では、県内病院の卒後院内研修プログラムに「まちの保健室」講義と実習を取り入れ、評価した。4)効果・エビデンスの蓄積は、研修プログラムの評価を行ったことと、東日本大震災時の災害支援Ns派遣実績とその報告で得ることができた。また、東日本大震災被災地での看護の経験知を「災害支援ナース実践マニュアル」として作成し、被災地に持参できるようにした。
著者
芦田 信之 竹村 匡正
出版者
甲子園大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

平成18年度、19年度に引き続き、認知症高齢者の専用フロアをもつ精神科病棟にて、認知症高齢者の意思決定代理人のインフォームドコンセントによる許可を得たのち、施設利用者および介護職員(フロア担当者等、昼夜交代あり)にICタグを装着して、行動観察を行った。居住スペース内のベッド、トイレ、廊下、いこいの場などにトリガー領域を設置し、長期間、昼夜24時間連続モニタリングを実施し、行動観察をおこなってきた。利用者の毎日のベッド内滞在時間、トイレ回数、歩行距離などの行動パターンと病態との関係を把握することが可能となり、徘徊行動のおこるパターン解析、徘徊行動をおさえるための介入研究をおこなった。また、1日の行動記録の自動化を試み、自動日報作成のための生活行動分類をおこなった。また、介護者の行動の記録をとるために、ICレコーダで介護行為を記録することとした。しかしながら、現在の音声認識技術では、会話文の自動テキスト化は困難であったので、介護者と利用者の会話を定型化することを考えて、介護現場で必要な「声掛け運動」を提唱し、いろいろな場面での会話を体系化した。このことは、単に、自動記録ができるだけでなく、介護者と利用者のコミュニケーション(必要な場面で、必要な言葉をかける)のに役立ち、さらに、介護者が質の高い介護を実践するための研修にも役立つことがわかった。