著者
野村 幸子 物部 真奈美 松尾 喜義
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.121, pp.23-35, 2016-06-30 (Released:2018-07-01)
参考文献数
15

「日本食品標準成分表」等のデータベースを用いて,茶と野菜の成分値を比較した結果,抹茶や玉露,煎茶を丸ごと食べることによって,ビタミンAやビタミンEの不足を補うことができる可能性が示唆された。しかし,茶を食す場合でも過剰に摂取することは禁物で,1人前1食分の上限を数グラムとし,香りや味,色合いなどを楽しむことに重点を置いて使用量を設定することが重要であると思われる。
著者
野村 幸子 河上 智香 長谷 典子 藤原 千恵子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.169-180, 2007-03
被引用文献数
2

本研究の目的は,入学したばかりで小児看護学受講前の学生は,子どもとの接触体験をどの程度持っているのか,またどのような子どもイメージを持っているのか,子どもとの接触体験は,イメージの形成にどのように影響するのかを明らかにすることであった。対象者は,研究の目的に同意が得られた2大学の1年生143名である。結果は,接触体験で最も多い項目は,「赤ちゃんを抱く」や「子どもとの遊び相手」で世話に関する体験は少なかった。接触体験やきょうだい数が多いほど,子どもの『行動特性』からくるイメージは肯定的となっていた。他のイメージの側面には影響がみられなかった。また接触体験の多さは,子どもへの関心とも関連がなかった。むしろ接触体験が多いと苦手意識になることも示唆された。学生は,子どもへの関心は高いが,そのイメージは,子どもとの浅い関わりや外観から得られるイメージであることがわかった。
著者
物部 真奈美 野村 幸子 江間 かおり
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.131, pp.9-14, 2021-06-30 (Released:2023-07-01)
参考文献数
13

カフェイン+EGCG/テアニン+アルギニンのモル比が2未満の高級抹茶を継続摂取するとストレッサーによる侵襲を受けにくいことが既に報告されている。一方,カフェイン+EGCG/テアニン+アルギニンのモル比が2以上の抹茶ではストレッサーによる侵襲を受けてしまうことが本研究でも明らかになった。しかし本研究では,上記モル比が2以上の抹茶ラテを飲用していた場合,不安状態における交感神経系を介したストレス防御反応の低下を抑える可能性があることが示された。
著者
山本 映子 野村 幸子 中村 百合子 北川 明 竹下 比登美 北川 早苗 近喰 ふじ子
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 : 県立広島大学保健福祉学部誌 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.45-56, 2006-03

近年,思春期の児童生徒による他者への攻撃性は,いじめや暴力,稀には殺人といった形で表出し,大きな社会問題となっている。本研究は,県内の公立小・中学校3校の協力を得て,小学5・6年生及び中学2年生の計452名を対象として,子どもの持つ攻撃性を早期に発見し,行動化する前に予防するための対応策を探索することを目的とした調査報告である。方法として,彼らの心身の健康状態と心を理解することが重要と考え,健康調査と攻撃性質問紙,心理テスト(エゴグラム)及び自己投影法であるコラージュ法を用いた。攻撃性については表出性,不表出性攻撃性をコラージュ作品との関連でみた。結果は,思春期の特性や集団力動など作品への影響因子が推測され,必ずしも関連しなかったが,攻撃的アイテムを示唆する傾向が得られた。コラージュ制作後の心身健康状態では,症状個数は有意に減少し,精神面では肯定的変化を得た。コラージュの自己治癒力,カタルシス効果が考えられ,攻撃性予防対策に応用の可能性が示唆された。