著者
野村 幸子 物部 真奈美 松尾 喜義
出版者
日本茶業学会
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.121, pp.23-35, 2016-06-30 (Released:2018-07-01)
参考文献数
15

「日本食品標準成分表」等のデータベースを用いて,茶と野菜の成分値を比較した結果,抹茶や玉露,煎茶を丸ごと食べることによって,ビタミンAやビタミンEの不足を補うことができる可能性が示唆された。しかし,茶を食す場合でも過剰に摂取することは禁物で,1人前1食分の上限を数グラムとし,香りや味,色合いなどを楽しむことに重点を置いて使用量を設定することが重要であると思われる。
著者
岡野 邦夫 松尾 喜義 近藤 貞昭
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.95, pp.16-23, 2003-06-30 (Released:2009-12-03)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

チャ新芽に蓄積するテアニンの生理的意義を明らかにする目的で,9種類のツバキ属植物から真空吸引法で木部樹液を採取し,遊離アミノ酸組成をHPLC法で分析・比較した。チャ節植物ではグルタミン,テアニン及びアルギニンの3種が主要なアミノ酸であった。一方,ツバキ節,カワリツバキ節及びサザンカ節植物の木部樹液中の主要なアミノ酸はグルタミンとアルギニンの2種であり,有意な量のテアニンは検出できなかった。木部樹液と新芽の遊離アミノ酸組成の比較から,木部樹液中に存在するグルタミンはアミノ酸代謝の前駆物質として働き,テアニンやアルギニンは窒素の移行や貯蔵あるいはアンモニアの解毒形態として機能しているものと考えられた。
著者
松尾 喜義
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.15-16, 2005-03-22 (Released:2009-12-18)
参考文献数
3
著者
松尾 喜義 岡野 邦夫
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東海支部会報
巻号頁・発行日
no.118, pp.13-16, 1994-12-01

葉緑素計は葉色を簡便に測定できることから, 稲作のほか多くの作物で日常的に使われている.筆者らは前報までに葉緑素計を用いて, 茶樹新芽の成熟経過や新芽の遮光による変化を測定し, 葉緑素計はチャの研究分野でも有効な方法であることを指摘してきた.常緑の永年生作物であるチャは, 年間を通じて葉をつけており, 葉色は樹体の生理的状態を反映するのではないかと予想される.そこで葉色を簡便に比較計測することによって, チャ樹の状態を知ることが出来れば, 栽培管理上極めて有益である.そのためには葉色に現れる情報が, どういう特性のもので, 何が分かるのかを明らかにする必要がある.ここではその第一歩として, 茶園葉色の1年間の変化を葉緑素計によって追跡調査した結果を報告する.
著者
松尾 喜義 片岡 孝義
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.122-128, 1983-08-05
被引用文献数
3 1

The effect of variations in the light and temperature on the germination of Leptochloa chinensis Nees seeds stored under different conditions was investigated. 1. The dormancy of seeds stored under air-dried conditions was readily broken when seeds placed on a moist filter paper were subjected to a regime of 12 hours light at 40 ℃ and 30 ℃ and 12 hours dark at 40℃ and 15℃, respectively. 2. Light played a major role in the breaking of dormancy. The effect of light on seeds stored under air-dried conditions was more conspicuous 6〜12 hours after water absorption than at the onset. 3. The degree of breaking of dormancy varied with the conditions of storage, and it was higher in the following order, moist conditions at 5℃ < air-dried conditions at 5℃ < air-dried condidtions at room temperature < upland field conditions. However the breaking of dormancy under these conditions of storage did not result in seed germination when seeds were continuously exposed to darkness at 30℃.