著者
玉木 久夫 土屋 裕希
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AL, アルゴリズム研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.121-128, 2007-03-09
参考文献数
15

平面ユークリッド距離巡回セールスマン問題に対する分割統治法アルゴリズムを提案する。このアルゴリズムは、まず与えられた点集合のドローネ三角形分割を求め、その全域閉小路を再帰的に求める。巡回路をハミルトン閉路から全域閉小路に緩和したのは解の存在を保証するためである。部分解の統合においては、部分解に属す辺とその他のドローネ辺をあわせて統合グラフを構成し、その上の最適解を線形刻み分割を用いた動的計画法により求める。このアルゴリズムの実行時間は分割の幅wを固定したとき、O(nlogn)である。
著者
川村 聡明 玉木 久夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.25, pp.41-48, 2001-03-12
参考文献数
5

与えられた囲碁の局面に対して、最善の着手とその帰結を正確に求めるアルゴリズムを設計・実装した。この実装は、5×5盤の終盤問題集(福井正明八段:「五道盤上達法」)の問題のうち、30問を、10秒から29561秒の間の時間で解く。ルールは中国ルールに基づき、無限のゲームを無勝負と解釈する。We design and implement an algorithm that rigorously computes the best move and its outcome given a board configuration of GO game. Our implementation solves 30 of the 5×5 board endgame excersizes authored by Fukui in from 10 to 29561 seconds. Our rule is based on the Chinese rule and interprets an infinite game as a void.
著者
佐藤 泰介 玉木 久夫
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.177-188, 1988-04-15

第一階コンパイラは一階論理式による論理プログラミングを可能にすべく開発された一種の自動合成プログラムである.確定節からなる論理プログラムに, 〓Y(p (X, Y)→q (Y, Z)) という形のゴール(実際はもっと複雑でも良い)を許したプログラム(一階プログラム)を入力とし,確定節論理プログラムを出力する.コンパイル自体は全自動で必ず停止するが,人力プログラムによってはコンパイルができないことがある.プログラミングという観点からみると,第一階コンパイラはPrologにある種のループ文を導入したことになっている.しかし論理変数が使用できるので通常のループ文よりはるかに柔軟性がある.また論理的な観点から言うと,第一階コンパイラのしていることは一階プログラムから導かれる普遍継続形式(universal continuationform)と呼ばれる,ある種の論理式のunfold/fold変換である.出力プログラムの計算結果は,常に入力プログラムの完備化の論理的帰結であること(部分的正当性)が証明される.