著者
小島 諒介 佐藤 泰介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.301-310, 2014-05-01 (Released:2014-04-04)
参考文献数
23

In this paper we propose a new plan recognition method from observations of incomplete action sequences by regarding them as prefixes in a probabilistic context-free grammar (PCFG). In previous work that uses a PCFG for plan recognition, the PCFG receives a sentence, i.e. an observation of complete action sequences to recognize the plan behind it. However, when we deal with real plan recognition problems such as the Web access log analysis, we often cannot have complete sequences of actions and the traditional PCFG approach is not applicable. To overcome this difficulty, we extend the probability computation of PCFGs to prefix probability computation though it requires an infinite sum of probabilities. We applied the proposed method to infer the intended goals of Web site visitors from the online and partial observations of their actions. Also we compared the performance of plan recognition from observations of initial sequences of visitors' actions with that from full observations.
著者
石畠 正和 亀谷 由隆 佐藤 泰介
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

規則性と不確実性が入り交る世界をモデル化するため,論理の記述力と確率モデルの モデリング力を組み合わせる研究が行われている.本研究では任意の命題論理式上の ベイズ推定を提案する.ここでは事前知識のうち,決定的なものは論理式として,確率的 なものは事前分布として表現される.これにより我々の知識をより柔軟にモデルに取り入 れることが可能となる.更に本研究では提案法を代謝経路に関する仮説の評価に適用する.
著者
佐藤 泰介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.p1024-1036, 1981-11-15
著者
亀谷 由隆 佐藤 泰介 周 能法 泉 祐介 岩崎 達也
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.4_2-4_22, 2007 (Released:2007-12-31)

近年の人工知能分野においては,記号データ中に存在する不確実性をどう扱うかが大きな課題となっている.不確実性を扱うためには,まず確率モデルを構築し,その上で確率推論を行う方法が考えられる.更に近年では,記号列データや関係データベースなど,従来の単一の表データとしては表現できない,構造をもつデータの重要性が増しており,それらを扱うための一般的手法として,一階述語論理と確率の統合を目指す枠組みが数多く提案されている.その中の1つに確率論理プログラミング処理系PRISMがあるが,PRISMは宣言的な意味論,論理プログラムの高い記述力,効率的な組み込みの確率推論機構を備えており,確率モデリングに要する労力を大幅に省くことが期待される.本論文ではPRISM処理系のツールとしての側面に注目し,PRISMプログラムの記述例,処理系が提供する機能,処理速度に関するベンチマーク評価について述べる.
著者
三富 文和 藤原 冬樹 山本 正信 佐藤 泰介
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.J88-D2, no.4, pp.716-726, 2005-04-01

本論文は,習慣的な行動を確率文脈自由文法(SCFG)で認識するための新しい手法を 提案する.習慣的な行動でその動作が文法化されている例として茶道を取り上げ,その点前の識別を目標とする.これまで,SCFGによる動作認識では,動作を画像から記 号列に変換し,記号列を構文解析し認識に至っていた.この記号化は不確定さを伴う ため,構文解析には記号化の誤りを修正する機能が必要であった.本論文では,記号 化の誤りを少なくするために,まず,動作を角加速度に基づきセグメンテーションす る.動作セグメント列に対応可能な基本動作列を発生させ,その中から構文解析により導出可能なものを残す.このとき,対応可能な基本動作列の数は,動作セグメンテーションの誤りが少ないため多くはならない.認識過程では,残された基本動作列に対し,最も大きな事後確率をもつ点前を認識結果とする.これは,ベイズ推定の意味で誤りの最も少ない認識結果となり,同時に最適な記号化が得られる.なお,SCFGの生成確率を多重化することにより,一つの文法で複数の点前を認識できるようにしている.
著者
佐藤 泰介 亀谷 由隆
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

PRISMは将棋の戦略や文章の曖昧性の解決といった複雑な確率事象を表現し、事象の分布の統計的パラメータをデータから自動的に学習する能力を持つ、世界的に見てもユニークなプログラミング言語である。今年度は確率的モデリング言語としての能力を更に強化するため、様々な改良を行い、PRISM1.11として公開した。PRISM1.11では、(1)PRISMの探索部分の実装言語であるB-Prologの最新バージョンであるB-Prolog7.0との統合を行い、メモリ効率を向上させた。(2)並列EM学習が行えるようになった。確率文脈自由文法のパラメータ学習ではCPU数にほぼ比例して数十倍の速度向上がみられた。(3)決定性のアニーリング方式に基づいたEM学習が利用できるようにした。これはEM学習の局所解の問題を避けるのに効果が期待できる。(4)N-viterbiアルゴリズムを実装し、上位N個のビタビ解を求められるようにした。(5)次に述べるようにベイズ的学習法である変分ベイズ学習法を実装した。確率モデリングでは通常最尤推定に基づくパラメータ学習を行うが、PRISMでは新たにパラメータにディリクレ分布を事前分布として導入し、ディリクレ分布のハイパーパラメータを変分ベイズ学習により学習出来るようにした。そのためPRISM用の変分ベイズ学習アルゴリズムを導出し、実装した。PRISMの変分ベイ学習は従来知られていた隠れマルコフモデルや確率文脈自由文法をはるかに越える範囲の変分ベイズ学習を可能にしており、例えば、バイオフィフォマティクスで使われるプロファイル隠れマルコフモデルの変分ベイズ学習が可能になった。
著者
佐藤 泰介 玉木 久夫
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.177-188, 1988-04-15

第一階コンパイラは一階論理式による論理プログラミングを可能にすべく開発された一種の自動合成プログラムである.確定節からなる論理プログラムに, 〓Y(p (X, Y)→q (Y, Z)) という形のゴール(実際はもっと複雑でも良い)を許したプログラム(一階プログラム)を入力とし,確定節論理プログラムを出力する.コンパイル自体は全自動で必ず停止するが,人力プログラムによってはコンパイルができないことがある.プログラミングという観点からみると,第一階コンパイラはPrologにある種のループ文を導入したことになっている.しかし論理変数が使用できるので通常のループ文よりはるかに柔軟性がある.また論理的な観点から言うと,第一階コンパイラのしていることは一階プログラムから導かれる普遍継続形式(universal continuationform)と呼ばれる,ある種の論理式のunfold/fold変換である.出力プログラムの計算結果は,常に入力プログラムの完備化の論理的帰結であること(部分的正当性)が証明される.
著者
佐藤 泰介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.91, pp.43-48, 2002-05-17

確率的知識情報処理の標準的手法として欧米で定着しているBayesian networkで最近話題のloopy BP(ループのある信念伝播)を紹介する。