著者
玉田 和恵
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.496-501, 2021-11-01 (Released:2021-11-01)

Society5.0の実現に向け,自分が問題に直面した際に,高度情報技術を活用して目的や解決策を適切に発想し,情報モラルを活用して問題解決できる人材の育成が求められている。本特集でテーマとなっている「インターネット上に発信された情報を消すことが困難である」という課題は,情報モラルの重要な課題である。本稿では,情報モラル問題解決力を育成するための「3種の知識による情報モラル指導法」を解説し,消えない問題をどう自分事として考えさせるかという工夫について述べる。
著者
玉田 和恵 松田 稔樹 神藤 健朗

共通教科「情報」を担当する教師の問題解決指導力を育成するために,教職科目「情報科教育法」で,本研究グループが開発している「情報的な見方・考え方」と「3種の知識」を統合した指導法による実践を行った.事前-事後間の意識変化から、本指導法による実践によって,情報の教師を目指す学生は問題解決の指導に対して明確な指針と学習の必要性を感じ取ることが分かった。受講後の学生の記述からは,「問題解決のコツとしての見方・考え方の指導の重要性」「問題解決の枠組みを明示することの良さ」「全教科に共通した問題解決を教える共通教科「情報」の責任の重大さ」「トレードオフの概念の重要性」についての気づきが見られた.
著者
玉田 和恵 井口 磯夫
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.31-40, 1997-12-25

学生が「インターネットによる就職活動」に直面し, ネットワークを通じた情報活用に対してどのような意識をもっているのか質問紙調査をもとに分析し, 以下のことが分かった.学生の意識には, 本人の情報活用能力によって差異が生じている.情報活用能力を身につけている学生は, ネットワークを正しく認識し, 利点や弱点を理解している.情報リテラシーを身につけていない学生は, ネットワークを過信したり, 必要以上に不安を抱いたりしている.自発的学習により情報活用能力を身につけた学生は, マニュアルを参照しながらインターネットを利用して情報を活用している.多くの学生は就職活動にインターネットは必要で, 活用したいと感じながらも現在の能力では活用しきれないとあきらめている.就職活動のためのインターネットの利用を情報系授業と有機的に結びつけ, 授業の動機づけに利用することは非常に有効であることが分かった.