- 著者
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王 智新
- 出版者
- 宮崎公立大学
- 雑誌
- 宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.1, pp.1-21, 2003-03-20
孔子(Congzi, B.C.55-B.C.479)は中国春秋戦国時代の思想家,教育家であり,儒家の創始者でもある。中国文化の傑出した代表者として,孔子ほど広く知られている者はないと同時に,彼ほど誤解されている者もない。グローバリゼーション・情報化・IT社会と言われる一方,「テロ」・公害・経済不況・学力低下などという面も大きくクローズアップされ,ますます混沌とした世相が深まっている今日のような時代に,孔子の思想と実践は果たして意味を持ちうるかどうか。もし,持ちうるとすれば,どんな意味合いにおいてなのか,本文は今日までの中国と日本学者の研究成果を踏まえ,できるだけ詳細な資料を使用して,孔子の本来の姿を再現し,今日における孔子の思想とその実践の意味をもう一度問い直そうとする。