著者
吉田 幸 八田 順子 岡野 安太朗 田上 敦朗 駒井 清暢
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.248-252, 2015-08-31 (Released:2015-10-06)
参考文献数
7
被引用文献数
3

非侵襲的陽圧換気療法(noninvasive positive pressure ventilation: NPPV)によるマスク装着にともなう皮膚障害を改善させる目的で,慢性呼吸器疾患看護認定看護師,皮膚科医師,臨床工学技士による定期的回診(マスク回診)を創案し実施した.18名の神経筋疾患患者を対象に,診療録から後方視的にマスク回診前後の皮膚障害および関連する情報を収集し比較検討した.皮膚障害は褥瘡の深達度による分類(NPUAP, 2014)を使用した.回診前はⅡ度が8名だったが,回診後は1名と減少した.マスク回診チームは,各患者のNPPVマスク皮膚障害の原因をそれぞれの専門に従って分析し,それを基に回診の場で意見交換を行い,協動チームとしての対策立案・実施と記録作成を行うことができた.加えて,病棟スタッフや家族への働きかけと共に患者への治療的介入を継続して行ったことが,NPPVマスク関連皮膚障害の改善につながった.