著者
吉田 幸平 高木 秀雄
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.3, pp.337-354, 2020-06-25 (Released:2020-07-11)
参考文献数
22
被引用文献数
1

Science subjects at Japanese high schools are divided into physics, chemistry, biology, and Earth science. The numbers of credits set are two for basic subjects and four for advanced subjects. With a change of courses based on new guidelines enforced by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology Japan (MEXT) in 2012, the Earth science field has classes in Basic Earth Science and Advanced Earth Science. The percentage of high school students who take Earth science classes is estimated from the number of textbooks adopted by MEXT (26% for Basic Earth Science and 1.2-0.9% for Advanced Earth Science), but the percentages of high schools that offer Earth science classes in each prefecture have not been reported. Therefore, the proportion of high schools that offer Basic Earth Science and Advanced Earth Science classes are estimated based on a survey of more than 5,000 high schools in Japan. Data for the survey were collected from the curriculum listed on each high-school homepage and from a questionnaire distributed using the Google mail system. Survey results indicate that 43.7% of high schools nationwide offer Basic Earth Science, and only 8.8% of high schools offer Advanced Earth Science. In addition, the proportion of high schools offering Earth science classes varies depending on the prefecture. The highest proportion of high schools offering Basic Earth Science is 71% (Okinawa) and the lowest is only 4% (Miyazaki). The top prefectural percentage for Advanced Earth Science is 48%, but nine prefectures have no high schools offering Advanced Earth Science. The proportion of high schools offering Earth science correlates with the number of Earth science teachers employed over the past 40 years in each prefecture. However, some prefectures have records only for the total number of science teachers; therefore, the numbers of teachers hired specifically to teach Earth science are not known in these cases. The percentages of high schools offering Earth science classes are higher in prefectures for which only the total number of science teachers is known. A draft is provided on promoting Earth science education at high schools comparing differences among prefectures in the percentages of high schools offering Earth science classes. Based on our results, to promote high school geoscience education, support should be provided through workshops on Earth science education, so that science teachers other than full-time Earth science teachers can recognize the importance of Earth science and teach Basic Earth Science.
著者
深見 武史 堤内 亮博 井上 雄太 吉田 幸弘 村川 知弘 中島 淳
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.444-447, 2012-05-15 (Released:2012-06-18)
参考文献数
18

症例は62歳,男性.1953年(8歳時)に甲状腺腫で甲状腺右葉切除後,1955年に全肺野の粟粒状陰影と頚部リンパ節腫脹を指摘された.リンパ節生検と右肺S3部分切除術が施行され,甲状腺乳頭癌肺転移,リンパ節転移と診断された.化学療法と放射線外照射施行後も変化は乏しく,経過観察となった.2008年5月検診にて前立腺癌を疑われ,精査中,胸部X線にて左肺腫瘤影を認めた.前立腺生検にて前立腺癌は否定されたが,胸部CTにて左肺上葉に21 mm大の不整な結節と両肺に数mm大の小結節を多数認めた.原発性肺癌もしくは甲状腺癌肺転移を疑い,確定診断目的に胸腔鏡下左上葉部分切除を施行.甲状腺癌肺転移とその多発陳旧性病変との診断を得た.甲状腺癌術後30年以上経過して再発する症例は稀であり,本症例が最長であった.

9 0 0 0 異國物語

著者
吉田幸一編
出版者
古典文庫
巻号頁・発行日
1995
著者
吉田 幸弘 ヨシダ ユキヒロ Yoshida Yukihiro
出版者
同志社大学同志社社史資料センター
雑誌
同志社談叢 (ISSN:03897168)
巻号頁・発行日
no.34, pp.179-197,199-200, 2014-03

資料紹介(Historical Document)
著者
吉田 幸司
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.85-97,126, 2005-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24
被引用文献数
6 3

2002年日韓ワールドカップ開催のために、候補地自治体は各地で新しいスタジアムを建設した。埼玉県によって建設された県営埼玉スタジアム2002も、その一つである。埼玉県はスタジアム建設当初から地元のJリーグチーム、浦和レッズのホームスタジアム誘致をめざしてきた。しかし、スタジアム完成から3年以上が経過しても、浦和レッズのホームスタジアムは、さいたま市営の浦和駒場スタジアムのまま、移転はなされずにきた。このホームスタジアム移転をめぐって、県とクラブはそれぞれの思惑で埼玉スタジアムの移転・使用の正当性の根拠として「公共性」を主張してきた。本稿ではまず、スポーツ社会学領域における公共性論を、暫定的に「スポーツの持つ公共性」を論じる立場と、「スポーツの創造する公共性」の可能性を探る立場という、二つの潮流として整理し、その上で、浦和レッズ・サポーターへの参与観察を元にした、事例研究を考察した。埼玉スタジアムを核とした「スポーツによるまちづくり」という公共事業が公共性=公益性を担保する、というロジックを「大義」とした埼玉県の思惑にレッズ・サポーターは一方的に屈服してしまうことなく、また表立って抵抗するわけでもなかった。だがそれでもホームスタジアム移転をクラブは留保してきた。その理由を「聖地」駒場で築き上げてきたレッズ・サポーターの「浦和スタイル」に見出す。本論文は、このホームスタジアムの移転に際して、これまで県やクラブの主張する公共性の「大義」に、レッズ・サポーターはかかわることがなかったことを踏まえ、それでもこの移転問題に「かかわらざるをえない」レッズ・サポーターを、その浦和スタイルから捉えかえす試みである。
著者
吉田 幸一
出版者
日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.308-315, 2019

<p> 保湿剤や食物の早期摂取によるアレルギー疾患の発症予防に関する研究結果が報告され, 医療機関での診療だけでなく, 離乳食の開始など一般的な生活にも大きな影響を与え始めている. </p><p> 高緯度地域にアレルギー疾患をもつ患者が多いという横断的疫学調査の結果から, ビタミンDはアレルギー疾患の発症に関連がある因子の1つとして以前から考えられていた. その後, ビタミンDが免疫や肺の発育にも影響を及ぼすことやビタミンD欠乏症がアレルギー疾患発症のリスクになることが報告され, 最近では, 妊娠中のビタミンDサプリメントによる乳幼児の喘鳴抑制効果を示したランダム化比較試験の研究結果が報告されている. しかし, 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患に対する抑制効果を示す研究は少なく, 現段階ではアレルギー疾患の発症予防のためにビタミンDサプリメントを使用するエビデンスは十分ではなく, 推奨されない. 臨床応用までにはさらなる研究が必要である. </p>
著者
江原 宏幸 押切 正浩 山梨 智史 森井 利幸 佐藤 薫 吉田 幸司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.196-207, 2008-04-01
参考文献数
28

変換予測符号化に基づく32kbit/sのスケーラブル符号化方式を開発した。本方式では,広帯域(0.05〜7kHz)の入力信号の線形予測分析・符号化を行い,変形離散余弦変換を用いて予測残差信号の符号化を行う。高品質な電話帯域(0.3〜3.4kHz)の音声符号化方式に1,2kbit/sの帯域拡張と4kbit/s刻みの変換符号化を組み合わせた。電話帯域の音声符号化は6.8kbit/sの符号励振線形予測符号化で行い,G.729 Annex E(11.8kbit/s)相当の品質を達成した。更に,8kbit/sでG.722,2(8.85kbit/s)相当の広帯域品質を達成し,音楽信号に対してはG.729.1を上回ることを確認した。
著者
平井章康 吉田幸二 宮地功
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1441-1446, 2013-07-03

近年,登場してきた簡易脳波計は携帯可能な大きさであり,装着が簡単で,装着者の行動を制限しない.このため,日常的な使用が可能で,比較的安価で入手し易い利点がある.そこでこの簡易脳波計を用いて脳波情報を取り入れた遠隔教育における指導支援にフィードバックできるシステムの構築を検討している.本論文では簡易脳波計の特性や脳波状況について論じ,脳波計測において学生の学習行為中の思考や記憶に関して脳波データの相関関係を実験により比較分析した.その結果,β/α値はストレスや思考する集中度合いを測る指標として,Low_γは記憶作業に反応を示す事が判明し,記憶の度合いを測る指標として有効であると結果が出た.
著者
矢野 健二 小林 直彦 堀田 順平 清水 明生 松崎 泰裕 谷沢 智史 山下 静雨 吉田 幸二 鈴木 雅人 市村 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.703, pp.1-5, 2005-02-26

インターネットの普及と相俟って遠隔教育は, 企業社員教育や学校教育の場において, 試用から実用の段階に入ろうとしている. これらの教育の対象は論理・科学技術分野である. 学問・教育には, 論理や科学分野以外に芸術・体育・技能等の分野がある. この分野の遠隔教育は現在実用期に入ろうとしている論理・科学分野の次にくる次世代遠隔教育と言えよう. これらでは感覚的な事柄が重要視されるため, その遠隔教育においては, 質問事項のメモ及びその意思伝達が困難である. そこで筆者は, 質問事項のメモ及びその意思伝達を容易にするために, 疑問や質問を思いついたときの前後の環境を保存し, 学習者のコンピュータにアイコン画像を表示, 後にその環境を復元・共有し, 質問・疑問の連想を支援するシステムの設計と実装方法を報告する.
著者
桑原 慶紀 吉田 幸洋 中村 清 伊藤 茂
出版者
The Society for Reproduction and Development
雑誌
Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.j55-j60, 1995 (Released:2010-10-20)

著者らは独自に開発した装置を用いてヤギ胎仔の長時間子宮外保育を試みてきた.すなわち,帝王切開で娩出したヤギ胎仔の臍帯血管にカテーテルを挿入し,ECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation)回路に接続する.胎仔は人工羊水中に置かれ,胎児循環を保持し,低酸素環境下で保育される.これまでの著者らの成績では10日間の保育が限度で,慢性循環不全を主たる原因として死亡しており,保育状況・期間ともに不満足であった.最近著者らは胎仔の体内環境の変動をできるだけ少なくし,水分貯留傾向と関係すると思われる飲水行動を抑制する目的で子宮外保育期間中,胎仔にminor tranquilizerと筋弛緩剤を投与した.その結果,保育期間中,胎仔の状態は極めて安定しており,水分貯留傾向も認められず,約20日間というこれまでにない長期間保育に成功した.さらに,子宮外保育からの離脱を試みたところ,レスピレーターによる人工換気は必要としたものの良好な換気が得られ,保育期間中に肺の機能的成熟が進行したことも確認できた.以上により,臍帯動静脈A-VEC MOが未熟動物の長期にわたる保育法として有効であることが証明されたが,長期間の体動抑制による未熟動物の筋力の発達成熟におよぼす影響などの解決すべき問題があり,正常新生仔への移行にはさらなる改善が必要である.
著者
吉田 幸司 岡室 博之
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.3-26, 2016 (Released:2018-03-30)

Using longitudinal micro data for Mitsubishi Shipbuilding employees from 1918 to 1946, this paper quantitatively analyzes the promotion and selection process for white-collar workers during the prewar period. Previous studies on the postwar period have mostly examined this career pattern quantitatively, while historical studies focusing on the prewar period are mostly qualitative. Moreover, even the few quantitative studies on the prewar period do not employ such methods as career trees and event history analysis, which are generally used in the studies focusing on the postwar period. Therefore, the main purpose of this paper is to investigate the career pattern of white-collar employees in prewar Japan in a quantitative way comparable with studies focusing on postwar Japan.We target two cohorts of white-collar workers—those who joined Mitsubishi Shipbuilding in 1918 and 1921—and track their careers (section and position) until 1946 by matching three internal data sources, including lists of personnel. We first draw up the career trees of new white-collar employees in both cohorts to illustrate the characteristics of their career patterns. Next, we employ event history analysis to test the differences in the career patterns between sub-groups, such as clerks and engineers. Finally, we estimate a logit model to determine the factors of their “survival” until 1939. We find that (1) the speed of promotion differs considerably across white-collar workers in the same cohort, (2) “return match” is observed not only in promotion to section manager positions but also in promotion to division manager positions, (3) despite a high ratio of resignation, most remaining white-collar workers are promoted to division managers, and (4) engineers are more likely than clerks to stay with the company for more than 20 years. Findings (1) to (3) are common to the career patterns of white-collar workers in the prewar core banks of Zaibatsu groups but contrast with those of large postwar firms.
著者
吉田 幸一
出版者
札幌医科大学医療人育成センター
雑誌
札幌医科大学医療人育成センター紀要 = Journal of center for medical education Sapporo Medical University = Journal of center for medical education Sapporo Medical University
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-3, 2018-03-31

大学の授業と言えば、大きな教室に大勢の学生をあつめて教師が話しをする講義が思い浮かぶ。講義の長所は、一度に多くの学生に対して包括的に知識を伝えることができる点である。しかし、講義形式の授業にはいくつかの問題が指摘されている。学生にとって、講義は教師の話を聴いてノートをとるという受け身の授業である。もし、その授業に興味がない、学ぶ意欲がないならば、授業は成り立たない。一方向性の教授法であるため、学生の集中力が続かなくなり、おしゃべりや授業に関係ないことをはじめる。教室後方の座席に、授業を聴くことに積極的でない学生が集まる。これでは、授業の効果がなかなかあがらないだろう。本学の教養科目の授業の多くは、大きな教室に100 名ほどの学生を集めて講義形式で行われる。ここでは、医学部1年生を対象にした生物学の講義をとりあげ、学生が着席する教室内の座席位置と成績の関係について述べる。教室内の座席を教壇からみて前方群、中央群、後方群に分けたとき、学生は毎回の授業においてほぼ同じ群内の座席に着席する。成績は、授業がすべて終わった後でおこなう定期試験で評価した。後方群の座席にすわる人は前方群や中央群の座席にすわる人に比べて、得点が有意に低い。クラス全体の1/4 からなる成績下位層は、その6 割が後方群の座席の人である。また、2 年次の成績を追跡すると、1 年次後方座席の人は2 年次も成績が振るわないことが多い。座席が教室後方に固定すると、成績不振におちいる恐れがある。後方座席のリスクを、暗黙あるいは無意識ではあるが多くの学生や教員が知っている。この問題が身近で起きることを改めて認識し、どのように向き合うかを考える。
著者
松尾 喜久男 吉田 幸雄 上本 驥一 原 治
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-22, 1962
被引用文献数
1

1) 1961年8月22日から8月27日の間に3回にわたり計8匹のハエ幼虫が男子尿道より排出された.2) 第2回目排出の2虫体を同定した結果, その虫体は3.4〜4.8mm長の3齢幼虫で, Sarcophaga septentrionalisかS. similisの何れかに該当し, 多分S. septentrionalisと思われる.3) 今回のハエ幼虫感染径路は恐らく汚染された陰茎かその付近に産下された1齢幼虫のうち若干のものが外尿道口から侵入し, 尿道内で発育した幼虫が3回にわたり尿中に排出されたと推察される.