著者
田中 修平
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.401-405, 2012-05-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
12

ガラス内部の物性,例えば屈折率をフェムト秒レーザー光の照射により変化させ,照射部に機能をもたせる試みがなされている.その一例として,光導波路デバイスが挙げられる.これらの加工には,レンズによる集光点を逐次移動させながら加工する逐次加工法が使用されてきたが作製時間が長く,世の中に普及するに至っていない.本稿では,ホログラムを通してレーザー光を照射し,結像した3次元実像でデバイスを一括で短時間に作製できる加工技術と,本技術により試作した具体的なデバイスの概要を紹介する.
著者
中村 牧子 上野 博志 中垣内 昌樹 堀 正和 田中 修平 城宝 秀司 絹川 弘一郎
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.611-618, 2019-06-15 (Released:2020-08-17)
参考文献数
12

症例は58歳男性,主訴は心窩部痛・心肺停止.2018年某月初旬,心窩部痛・嘔吐にて救急要請した.救急車内で心室細動(VF)となりAEDによる除細動が3回施行されるもVF停止せず,心肺蘇生が継続され当院ERへ救急搬送された.気管挿管,アドレナリン,アミオダロン投与後も自己心拍再開が得られず,VA-ECMOを挿入し冠動脈造影(CAG)を施行.左前下行枝#6 100%,右冠動脈#1-2 90%を認め,引き続き#6にPCI施行,その後の除細動で洞調律へ復帰した.#1-2にもPCIを施行しTIMI 3となったが左室拡張末期圧20 mmHgと高値のため左室ベント目的にIMEPLLA 2.5を挿入した.CCU入室時脈拍触知せず,胸部X線で肺うっ血あり,心エコーで大動脈弁の開放を認めず,高度のびまん性左室壁運動低下(EF 10%)を認めた.低用量の静注強心薬も併用開始し第2病日ECMOを離脱した.CPKは最高17737 IU/L,CK-MB 702 ng/mLまで上昇したが,左室壁運動の改善を認め,第5病日IMPELLAを抜去,第6病日人工呼吸器と静注強心薬を離脱した.第14病日の心エコーではEF 47%に改善を認め,神経学的後遺症なく第31病日に独歩退院し,退院1カ月後に就労復帰した.本例はECMOによる全身循環の維持,PCIによる冠血行再建とIMPELLAによる左室減負荷により心機能が回復し救命し得たと考えられた.